2018年度、自治体職員・議員による視察の受け入れ件数が最も多かった事業は、調査開始から3年連続で、岩手県紫波町が取り組んだ駅前開発事業「オガールプロジェクト」となった。2位には、大和市の文化創造拠点「シリウス」が入った。ランキング上位には、公民連携で地域活性化を図る都市整備や文化複合施設の運営、地域包括ケアなどが並んでいる。民間の力を活用して自治体の課題を解決する動きが広まっているようだ。

 日経BP総研(日経BP)が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」は、全自治体を対象に行政視察の受け入れに関する実態を尋ねるアンケート調査を実施し、結果を「視察件数ランキング」として取りまとめた(調査概要・ランキング算出方法はこちら)。本年で3年目の調査となる。本記事では、総合ランキング、人口規模別ランキング、インバウンド視察ランキングを紹介する。

 団体別の事業一覧(有効回答分)は、本特集内の「視察の多い事業一覧2019(東日本編)」「同(西日本編)」に掲載している。

■ 全国自治体・視察件数ランキング2019

紫波町「オガール」が3年連続首位、多様な公民連携手法で整備

 岩手県紫波(しわ)町の「オガールプロジェクト」の視察数は、2018年度において135件あった。前々回(270件)、前回(151件)から徐々に少なくなっているものの、100件を超すのは全体でも4事業しかなく、あいかわらず人気が高い。その理由として、(1)民間主導型の公民連携であること、(2)PFI、代理人方式、定期借地といった多様な公民連携手法を用いて成功していること、(3)視察研修コースを整備していること、が挙げられる。

オガールプロジェクトにおける各種施設。写真右側の住宅地(エコハウス)が間もなく完売となる見込み(写真:岩手県紫波町)
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 オガールプロジェクトは、10年間低未利用となっていたJR紫波中央駅前町有地10.7haを用いて都市整備を図ったもの。人口約3万3000人の小規模な自治体だが、補助金に頼らずに民間と共同で進めてきた。2012年にオガールプラザをオープンしたのを皮切りに、さまざまな施設が整備されている。

 各施設は、それぞれ適した公民連携手法を用いている。例えば、PPPを活用した岩手県フットボールセンターや官民複合施設オガールプラザ、定期借地を活用した民間複合施設オガールベースやオガール保育園、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)を活用した役場庁舎、代理人方式を活用した官民複合施設オガールセンターなどである。このほか、エネルギーステーション(地域熱供給)やオガールタウン(宅地分譲、紫波型エコハウス)もある。

 視察研修コースは、目的に合わせて4つを用意する。「オガール標準コース」は、公有地活用や複合開発、デザインガイドライン、公民連携手法、施設概要といったオガール全般について視察したい人向け。「役場庁舎コース」は、役場庁舎、PFIに関する視察研修、「図書館(情報交流館)コース」はオガールプロジェクトにおける図書館の役割と運営、「循環型まちづくり・環境コース」は地域熱供給や紫波型エコハウスについて見たい場合のコースである。オガール内には利便性が高い宿泊施設もあるので、ぜひ利用したい。

2位の大和市「シリウス」は累計来館800万人超、指定管理による運営を学ぶ

 今回、オガールプロジェクトに続いたのは、神奈川県大和市の文化創造拠点「シリウス」。オガールと2件差の133件だった。視察件数は昨年同様のまま、昨年4位から順位が上がった。開館から954日めの令和元年6月14日に累計来館者が800万人を超え、図書館などの公共施設としては、全国的にも極めて活発に利用されている施設となる。

「シリウス」の外観(写真:茂木俊輔)
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 シリウスは、図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場を中心とした大型文化複合施設。公益施設の複合化による相乗効果を狙っている。

 館内のどこにでも図書を持ち歩けるようにしているのが特徴の一つ。施設全体を図書館として捉える、新しい図書館のスタイルを実現している。“健康都市図書館”として、市の健康施策を支える役割も担っている。子供専用フロア、飲食可能な予約不要のフリースペース、一人で来館しても落ち着いて読書ができるカウンター式閲覧席などを用意し、市民が集う新たな居場所となっている。

 シリウスを訪れる視察者の目的の多くは、指定管理者による施設運営に関するもの。施設運営は、公益施設の運営に得意分野を持つ6社による共同企業体で実施している。

 6社によるノウハウ融合によって、施設全体の一体運営と民間活力の積極活用を図り、市内外から人が集まる魅力ある運営を実現している。各施設の統一テーマによる企画を通じて一体運営を心がけたり、各事業者が集まる会議を定例で開いたりして、日常的な情報共有を図っている。こうした成果が累計来館者数に現れているわけだ。

 今回、4位までが100件以上あった。3位は、愛知県豊明(とよあけ)市の「地域包括ケア豊明モデル」、4位が佐賀県武雄市の図書館指定管理者導入である。地域包括ケア豊明モデルは、様々な高齢者支援のサービスを総合した事業。昨年の53件(16位)から大きく伸ばして、110件あった。その理由は、「高齢者が出かけたくなるまち」というキャッチフレーズで、民間企業の連携による外出促進や生活支援の取り組みが各種メディアに掲載されたことが挙げられる。

図書館を中心にした地域活性化がランキング上位に

 視察数が100件を超すランキングの上位4つはいずれも、民間の力を活用した事業である。

 特に、岩手県紫波町のオガールプロジェクトや神奈川県大和市のシリウス、佐賀県武雄市の図書館指定管理者導入のように、都市整備や文化複合施設、図書館といった施設をうまく活用して地域活性化を図る取り組みが上位に多く入っている。

 8位の岐阜県岐阜市「みんなの森 ぎふメディアコスモス」(72件)、12位の東京都荒川区「ゆいの森あらかわ」(62件)、23位の愛知県安城市における安城市中心市街地拠点施設「アンフォーレ」(48件)、図書館関連の施設が特に目立つ。図書館を中核にした、まちづくりや地域活性化が多くの自治体に広まっているとみられる。

 みんなの森 ぎふメディアコスモスは、最大が90万冊を所蔵可能な「市立中央図書館」でありながら、市民活動を支援する「市民活動交流センター」や、国際交流の場となる「多文化交流プラザ」からなる複合施設だ。展示や発表会、講演会やセレモニーなど多様な使い方ができる「みんなのホール」などのほか、大小4種類のスタジオや一面が鏡張りスタジオなどを備え、目的に合わせた多彩な利用方法が可能となっている。

子育て・教育、高齢者支援が目立つ

 次いで、子育てや教育関連の事業も、ランキング上位に多く位置する。5位の東京都三鷹市「コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育」(81件)をはじめ、9位の宮崎県日南市における子育て支援センター「ことこと」(69件)、27位の秋田県大仙市「小中学校における学力向上の取り組み」(45件)、同・岐阜県岐阜市の「子ども・若者総合支援センター“エールぎふ”」(同)が挙げられる。

 三鷹市は、学校運営に地域住民や保護者などが参加できるコミュニティ・スクールに早くから取り組んでいる自治体だ。2006年に、コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育校のモデル校として「にしみたか学園」を開設し、今年で10年目を迎えた。小・中相互乗り入れ授業や、小学校からの教科担任制、小・小および小・中の交流活動などを実施している。視察では、10年間取り組んできた成果や課題、組織作りやノウハウなどを主な目的に訪れるケースが多い。

 高齢者支援の事業もランキング上位に目立った。3位になった愛知県豊明市の「地域包括ケア豊明モデル」を筆頭に、14位の神奈川県横須賀市「終活支援事業」(59件)、21位の千葉県柏市「長寿社会に向けたまちづくり」(50件)などである。

 豊明市は、高齢化率が約25%(平成30年4月1日時点)と、県平均で見て高い自治体。医療介護を担う人材の確保が大きな課題の一つだった。地域包括ケア豊明モデルでは、高齢者の暮らしを支えるあらゆる資源を探し、無ければ地域とともに創り出すという発想で、住民、大学、協同組合、民間企業など地域の関係者とともに高齢者の暮らしを支える体制づくりを進めてきた。

 例えば、高齢者のケアに関する課題に対して様々な人が集まって話し合う「多職種合同ケアカンファレンス」を月2回開催している。市内20カ所で住民が主体となって運営する「まちかど運動教室」では、指導者の下で1時間程度かけてストレッチや筋力アップのための体操を行う。こうした産官学民の連携による事業は、介護予防給付費の伸びの抑制につながってきているなど効果を出しているという。

  子育て、教育、高齢者支援を複合的に提供しているのが、16位の富山市「総曲輪レガートスクエア」(55件)だ。子育て世代から高齢者までを視野に入れた複合施設「まちなか総合ケアセンター」を中心とした官民連携の複合施設である。敷地内に看護学校やリハビリテーション医療福祉大学校なども併設している。

 以降では、人口規模別ランキングと、海外からのインバウンド視察のランキングを紹介する。

総合ランキング 1~30位

総合ランキング 1~30位
順位 名称 自治体名 視察件数
1位 オガールプロジェクト 紫波町(岩手県) 135
2位 大和市文化創造拠点「シリウス」 大和市(神奈川県) 133
3位 「地域包括ケア豊明モデル」 豊明市(愛知県) 110
4位 図書館指定管理者導入 武雄市(佐賀県) 105
5位 コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育 三鷹市(東京都) 81
6位 朝日村役場新庁舎 朝日村(長野県) 77
7位 “ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センター 静岡県 75
8位 みんなの森 ぎふメディアコスモス 岐阜市(岐阜県) 72
9位 子育て支援センター「ことこと」 日南市(宮崎県) 69
10位 震災遺構 仙台市立荒浜小学校 仙台市(宮城県) 67
11位 八戸ポータルミュージアム「はっち」 八戸市(青森県) 65
12位 ゆいの森あらかわ 荒川区(東京都) 62
13位 武蔵野クリーンセンター 武蔵野市(東京都) 61
14位 終活支援事業(エンディングプラン・サポート事業、終活情報登録伝達事業) 横須賀市(神奈川県) 59
15位 コミュニティ・スクール事業 春日市(福岡県) 57
16位 総曲輪レガートスクエア(富山市まちなか総合ケアセンター) 富山市(富山県) 55
17位 油津商店街の動きとIT企業誘致の取り組み 日南市(宮崎県) 54
18位 熊本城公園(熊本城災害復旧事業) 熊本市(熊本県) 53
19位 公共交通施策(上限200円バス、ささえ合い交通など) 京丹後市(京都府) 52
20位 千歳市防災学習交流センター 千歳市(北海道) 51
21位 長寿社会に向けたまちづくり~地域包括ケアシステムの具現化に向けて~ 柏市(千葉県) 50
22位 道の駅 米沢 米沢市(山形県) 49
23位 安城市中心市街地拠点施設「アンフォーレ」 安城市(愛知県) 48
24位 八戸ブックセンター 八戸市(青森県) 46
24位 コンパクトシティ政策 富山市(富山県) 46
24位 富士市産業支援センターf-Biz 富士市(静岡県) 46
27位 小中学校における学力向上の取り組み(大仙市教育委員会) 大仙市(秋田県) 45
27位 子ども・若者総合支援センター“エールぎふ” 岐阜市(岐阜県) 45
29位 会津若松市議会 会津若松市(福島県) 41
30位 RPA 宇城市(熊本県) 40
■ 視察の多い事業一覧2019

人口規模別ランキング(10万人未満)1~50位

人口規模別ランキング(10万人未満)1~50位
順位 名称 自治体名 視察件数
1位 オガールプロジェクト 紫波町(岩手県) 135
2位 地域包括ケアシステム「豊明モデル」 豊明市(愛知県) 110
3位 図書館指定管理者導入 武雄市(佐賀県) 105
4位 朝日村役場新庁舎 朝日村(長野県) 77
5位 日南市子育て支援センター「ことこと」 日南市(宮崎県) 69
6位 油津商店街の動きとIT企業誘致の取り組み 日南市(宮崎県) 54
7位 公共交通施策(上限200円バス、ささえ合い交通など) 京丹後市(京都府) 52
8位 千歳市防災学習交流センター 千歳市(北海道) 51
9位 道の駅 米沢 米沢市(山形県) 49
10位 小中学校における学力向上の取り組み 大仙市(秋田県) 45
11位 RPA 宇城市(熊本県) 40
12位 平成27年9月関東・東北豪雨災害について 常総市(茨城県) 39
13位 杉原千畝記念館 八百津町(岐阜県) 38
14位 まちづくり基本条例 ニセコ町(北海道) 36
14位 スマートウエルネスみつけ 見附市(新潟県) 36
16位 議会広報「お元気ですか 寄居議会です」 寄居町(埼玉県) 35
17位 議会改革(岩倉市議会) 岩倉市(愛知県) 33
18位 永平寺町内各小中学校 永平寺町(福井県) 32
18位 境町の地方創生の取組み 境町(茨城県) 32
20位 青少年育成プラザ(ミアキス) 邑南町(島根県) 30
20位 日本一の子育て村構想 韮崎市(山梨県) 30
22位 都市交流施設・道の駅保田小学校 鋸南町(千葉県) 29
22位 議会改革・活性化 加賀市(石川県) 29
22位 生活困窮者支援事業、野洲市くらし支えあい条例 消費者行政推推事業 野洲市(滋賀県) 29
25位 糸魚川市駅北大火に関する視察 糸魚川市(新潟県) 28
25位 議会運営(議会改革) 犬山市(愛知県) 28
27位 富谷市まちづくり産業交流プラザ 富谷市(宮城県) 27
27位 鯖江市役所JK課プロジェクト 鯖江市(福井県) 27
27位 復興状況や復興に向けた取組等 釜石市(岩手県) 27
27位 エコアイランド宮古島の取り組み 宮古島市(沖縄県) 27
31位 豊後高田昭和の町づくり 豊後高田市(大分県) 26
31位 平成29年7月九州北部豪雨災害の対応(復興計画含む) 朝倉市(福岡県) 26
33位 あったかてらす他子育て支援施策 高森町(長野県) 25
33位 プログラミング教育 加賀市(石川県) 25
33位 田原市中央図書館 田原市(愛知県) 25
33位 債権管理条例 野洲市(滋賀県) 25
37位 栗山町議会基本条例 栗山町(北海道) 24
37位 釜石鵜住居復興スタジアム 釜石市(岩手県) 24
37位 議会だよりリニューアルと編集方法について あきる野市(東京都) 24
40位 しりうち地域産業担い手センター 知内町(北海道) 23
40位 自動走行推進事業 永平寺町(福井県) 23
40位 豊岡市立城崎国際アートセンター 豊岡市(兵庫県) 23
40位 地域包括ケアシステム 和光市(埼玉県) 23
44位 ネーブルみつけ(健康運動教室) 見附市(新潟県) 22
44位 福生市防災食育センター 福生市(東京都) 20
44位 新庁舎建設 武雄市(佐賀県) 20
44位 十勝さらべつ熱中小学校 更別村(北海道) 20
44位 ボートレース鳴門 鳴門市(徳島県) 20
49位 ゆめづくり地域予算制度 名張市(三重県) 19
50位 環境政策(ゴミのリサイクル等)関連視察 志布志市(鹿児島県) 18

人口規模別ランキング(10万~30万人未満)1~50位

人口規模別ランキング(10万~30万人未満)1~50位
順位 名称 自治体名 視察件数
1位 大和市文化創造拠点シリウス 大和市(神奈川県) 133
2位 コミュニティ・スクールを基盤とした小・中一貫教育 三鷹市(東京都) 81
3位 八戸ポータルミュージアム「はっち」 八戸市(青森県) 65
4位 ゆいの森あらかわ 荒川区(東京都) 62
5位 武蔵野クリーンセンター 武蔵野市(東京都) 61
6位 コミュニティ・スクール事業 春日市(福岡県) 57
7位 安城市中心市街地拠点施設「アンフォーレ」 安城市(愛知県) 48
8位 八戸ブックセンター 八戸市(青森県) 46
9位 富士市産業支援センターf-Biz 富士市(静岡県) 46
10位 会津若松市議会 会津若松市(福島県) 41
11位 地域包括ケアシステム 生駒市(奈良県) 37
12位 豊島区新庁舎 豊島区(東京都) 34
12位 武蔵野市立ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス 武蔵野市(東京都) 34
13位 大東市の総合事業 大東市(大阪府) 32
15位 公共施設再配置 秦野市(神奈川県) 31
16位 大和市立中央林間図書館 大和市(神奈川県) 30
16位 ふるさと交流ショップ 台東 台東区(東京都) 30
16位 フレイル予防事業 西東京市(東京都) 30
19位 八戸まちなか広場「マチニワ」 八戸市(青森県) 29
20位 議会改革について 多摩市(東京都) 28
20位 議会改革について(開かれた議会の取り組み、予算決算常任委員会他) 八尾市(大阪府) 28
22位 石巻市防災センター 石巻市(宮城県) 25
22位 ダイバーシティとインクルージョンの推進 渋谷区(東京都) 25
24位 女性議員による議会改革・議会事務局と一体となった議会改革 取手市(茨城県) 24
24位 新庁舎への移転を契機としたワークスタイル変革の取り組み 豊島区(東京都) 24
26位 公共施設再生計画推進事業 習志野市(千葉県) 23
27位 ふじみ野市・三芳町環境センター ふじみ野市(埼玉県) 21
27位 南池袋公園 豊島区(東京都) 21
29位 観光行政 小樽市(北海道) 20
29位 市民参加型まちづくり1%システム 弘前市(青森県) 20
29位 総合窓口「まどかフロア」 大野城市(福岡県) 20
29位 生活保護自立支援プログラム 釧路市(北海道) 20
33位 “健康・予防 日本一” ふじえだプロジェクト 藤枝市(静岡県) 19
33位 マイレポはんだ 半田市(愛知県) 18
35位 徳山駅前賑わい交流施設 周南市(山口県) 18
35位 上越市クリーンセンター 上越市(新潟県) 17
37位 議会改革の取り組み 彦根市(滋賀県) 17
37位 環境モデル都市の取り組み 飯田市(長野県) 16
37位 ご遺族支援コーナー 大和市(神奈川県) 16
37位 箕面市立小・中学校体育館のエアコン設置状況について 箕面市(大阪府) 16
37位 戸田市の教育改革 戸田市(埼玉県) 16
37位 習志野市新庁舎建設事業 習志野市(千葉県) 16
37位 おくやみコーナー 松阪市(三重県) 16
44位 上越市議会 上越市(新潟県) 15
44位 議会ICT推進事業 安城市(愛知県) 15
44位 サイクリングでの観光振興 今治市(愛媛県) 15
47位 日本一の読書のまち推進事業 三郷市(埼玉県) 14
47位 そうかリノベーションまちづくり事業 草加市(埼玉県) 14
47位 シティセールス 戸田市(埼玉県) 14
47位 リーディングスキル 戸田市(埼玉県) 14
47位 ユニバーサル就労推進事業 富士市(静岡県) 14
47位 コミュニティスクール推進事業 下関市(山口県) 14

人口規模別ランキング(30万人以上)1~50位

人口規模別ランキング(30万人以上)1~50位
順位 名称 自治体名 視察件数
1位 “ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センター 静岡県 75
2位 みんなの森 ぎふメディアコスモス 岐阜市(岐阜県) 72
3位 震災遺構 仙台市立荒浜小学校 仙台市(宮城県) 67
4位 終活支援事業(エンディングプラン・サポート事業、終活情報登録伝達事業) 横須賀市(神奈川県) 59
5位 総曲輪レガートスクエア(富山市まちなか総合ケアセンター) 富山市(富山県) 55
6位 熊本城公園(熊本城災害復旧事業) 熊本市(熊本県) 53
7位 長寿社会に向けたまちづくり~地域包括ケアシステムの具現化に向けて~ 柏市(千葉県) 50
8位 コンパクトシティ政策 富山市(富山県) 46
9位 子ども・若者総合支援センター“エールぎふ” 岐阜市(岐阜県) 45
10位 議会改革の取り組み 横須賀市(神奈川県) 37
11位 川口市市産品フェア 川口市(埼玉県) 36
12位 MOBIO(ものづくりビジネスセンターおおさか) 大阪府 35
12位 Fukuoka Growth Next 福岡市(福岡県) 35
14位 大阪イノベーションハブ(グローバルイノベーション創出支援事業) 大阪市(大阪府) 32
14位 静岡県富士山世界遺産センター 静岡県 32
16位 福岡市科学館 福岡市(福岡県) 31
17位 フレイル予防事業 柏市(千葉県) 28
17位 議会改革について 町田市(東京都) 28
17位 岐阜市の公共交通の取り組み 岐阜市(岐阜県) 28
19位 中央ふ頭クルーズセンター 福岡市(福岡県) 27
19位 さいたま市桜環境センター さいたま市(埼玉県) 27
22位 富山型デイサービス 富山市(富山県) 26
22位 「書かない窓口」~住所変更手続きを「かんたん」「正確に」「わかりやすく」 船橋市(千葉県) 26
22位 中和保健所動物愛護センター 奈良県 26
25位 離婚前後のこども養育支援事業 明石市(兵庫県) 25
26位 大阪城公園パークマネジメント事業 大阪市(大阪府) 24
26位 都心部子ども関連複合施設(資生館小学校) 札幌市(北海道) 24
28位 福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」 福島県 23
28位 京都市消防活動総合センター 京都市(京都府) 23
28位 子どもの貧困対策 足立区(東京都) 23
31位 ふじのくに地球環境史ミュージアム 静岡県 22
31位 三内丸山遺跡 縄文時遊館 青森県 22
31位 札幌市子ども発達支援総合センター 札幌市(北海道) 22
34位 しんじゅく多文化共生プラザ 新宿区(東京都) 21
35位 せんだい3.11メモリアル交流館 仙台市(宮城県) 20
35位 クリエイティブネットワークセンター大阪 メビック扇町 大阪市(大阪府) 20
35位 ICT街づくり 前橋市(群馬県) 20
35位 Turn Table 徳島県 20
39位 広島県立総合技術研究所農業技術センター 広島県 18
39位 さいたま市子ども家庭総合センター さいたま市(埼玉県) 18
39位 広島港 五日市県営上屋など(クルーズ客船受入状況) 広島県 18
42位 児童青少年センター(ゆう杉並) 杉並区(東京都) 17
42位 熊本市 西部環境工場 熊本市(熊本県) 17
44位 京都市環境保全活動センター(京エコロジーセンター) 京都市(京都府) 16
44位 岡山ESDプロジェクト 岡山市(岡山県) 16
44位 札幌市えほん図書館 札幌市(北海道) 16
44位 新潟国家戦略特区 新潟市(新潟県) 16
44位 アグリパーク・わくわく教育ファーム 新潟市(新潟県) 16
44位 議会BCP 大津市(滋賀県) 16
49位 課別・事業別行政評価シート(新公会計制度) 町田市(東京都) 15
49位 ごみ減量の取り組み 京都市(京都府) 15
49位 債権管理の一元化について 船橋市(千葉県) 15
49位 オーテピア 高知市(高知県) 15
49位 こどもによるまちづくり支援事業(こうちこどもファンド) 高知市(高知県) 15
49位 高知市の防災施策 高知市(高知県) 15

インバウンド視察ランキング 1~10位

武雄市子ども図書館の概観(写真:カルチュア・コンビニエンス・クラブ提供)
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 海外の自治体からの視察が多かった事業は何か――。「インバウンド視察ランキング」においてトップとなったのは、昨年2位だった佐賀県武雄市の「図書館指定管理者導入」だった。昨年の24件から今年は33件と増えている。武雄市図書館における視察全体の3割超を海外自治体が占める。

 今回、海外視察が増えたのは、2017年5月にオープンした韓国ソウルのピョルマダン図書館が「武雄市図書館を参考にした」ということが有名になったため。これにより、韓国からの視察が増えた。

 武雄市図書館は、“市民の生活をより豊かにする図書館”を作る「新・図書館構想」のもと、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者として2013年4月にオープンした。2017年10月には「より豊かな親子の育ち」を支援し、子どもを中心に親や多世代の市民が気軽に集い、遊び、学び、交流、リラックスできる施設として「こども図書館」も運営開始している。こども図書館の効果、講座やイベントの充実、訪日客の増加などによって、2018年度の年間来館者は107万3257人となり、100万人を初めて突破した。

 3位以下でも、岐阜市の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」(6位)、大和市の文化創造拠点「シリウス」(7位)といった図書館を用いた地域活性化事業が入った。図書館におけるイノベーションは、海外からも注目を集めているようだ。

海外からの視察は、起業支援が10位以内に目立つ

  インバウンド視察ランキング2位は、大阪市の「大阪イノベーションハブ(グローバルイノベーション創出支援事業)」だった。同施設の視察数32件中、28件が海外からの視察である。その主な理由について同市の担当者は、「毎年開催している国際イノベーション会議やグローバルイベント、海外ワークショップに加え、海外での精力的な情報発信の取り組みを通じ、海外の政府機関やイノベーション支援機関とのネットワークが充実し訪問先として認識されるようになったこと」を挙げる。

 同事業は、大阪および関西圏の経済的な成長を実現するため、国内外から人材や情報、資金をひきつけ、継続的にイノベーションを生み出し続ける環境の整備を目的としたもので、その拠点として大阪イノベーションハブ(OIH)を設置した。OIHには、約130人まで収容できるプレゼンスペース、15~25人程度を収容できるワークショップルームなどがある。ここで年50回以上のピッチイベントをはじめ、年間280回以上のイベントプログラムを開催するほか、スタートアップの成長を加速するアクセラレーションプログラムも提供している。

 また、経済誌Forbes JAPANの2018年10月号において、日本国内で注目すべきイノベーションハブ5選に選出された。ここ1年は、海外連携の強化や京都・神戸といった近隣都市との協業、関西に集積する大企業や大学も巻き込んだイベント、コニュニティ形成を推進し、情報発信に注力している。

 スタートアップ支援では、9位の福岡県における「Fukuoka Growth Next」(5件)や宮城県富谷市における「まちづくり産業交流プラザ」(同)も同様だ。Fukuoka Growth Nextは、使わなくなった小学校校舎を利用しているのが特徴の一つ。行政と民間事業者とが共働で施設を運営してスタートアップ企業への支援を図っている。富谷市の「まちづくり産業交流プラザ」は、旧役場庁舎をリノベーションし、シェアオフィスや起業支援を行う施設。IT企業などのサテライトオフィスを誘致したり、起業塾を実施したりしている。

 3位には、大阪府における中小企業向けの支援拠点、「MOBIO(ものづくりビジネスセンターおおさか)」(10件)も入っている。常設展示場、ビジネスマッチング、販路開拓支援、産学連携相談、知的財産相談、セミナーと交流会をセットにした出会いの場「Mobio-cafe」などのサービスを提供している。

 日本における中小企業支援、スタートアップ支援は、海外自治体にも得るべき情報があると見られる。

インバウンド視察ランキング 1~10位
順位 名称 自治体名 視察件数
1位 図書館指定管理者導入 武雄市(佐賀県) 33
2位 大阪イノベーションハブ(グローバルイノベーション創出支援事業) 大阪市(大阪府) 28
3位 MOBIO(ものづくりビジネスセンターおおさか) 大阪府 10
3位 京都市環境保全活動センター(京エコロジーセンター) 京都市(京都府) 10
5位 長寿社会に向けたまちづくり~地域包括ケアシステムの具現化に向けて~ 柏市(千葉県) 8
6位 みんなの森 ぎふメディアコスモス 岐阜市(岐阜県) 7
7位 文化創造拠点「シリウス」 大和市(神奈川県) 6
7位 コンパクトシティ政策 富山市(富山県) 6
9位 震災遺構 仙台市立荒浜小学校 仙台市(宮城県) 5
9位 Fukuoka Growth Next 福岡市(福岡県) 5
9位 富谷市まちづくり産業交流プラザ 富谷市(宮城県) 5
9位 岡山ESDプロジェクト 岡山市(岡山県) 5
9位 岸和田だんじり会館 岸和田市(大阪府) 5

「全国自治体・視察件数ランキング2019」 調査概要とランキング算出方法

調査名:行政視察に関する受け入れ実態調査2019
調査対象:47都道府県および1741市区町村
調査方法:調査票を郵送。回答は専用のウェブサイトまたはFAXで回収
調査期間:2019年7月10日~7月31日
回答数:642団体(回答率35.90 %)

■ランキング算出方法

 調査では、(1)2018年度において3件以上の行政視察を受け入れた公共サービスや施設、行政施策等と(2)2019年度にスタート/オープンし、行政視察を受け入れた(あるいは受け入れる予定がある)公共サービスや施設、行政施策等に分けて、それぞれ視察件数が多かった取り組みを3件まで挙げてもらった。

 (1)と(2)のそれぞれについて、調査回答で「国内の団体数」と「海外の団体数」を合わせた件数を「視察数」とし、それらを多い順に並べて「総合ランキング」をまとめた。視察対象が不明なもの、視察数が2件以下のものは対象外とした。

 人口規模別ランキングは、都道府県・市区町村を「人口10万人未満」「人口10万人以上30万人未満」「人口30万人以上」に分類し、それぞれ視察数を基に作成した。インバウンド視察ランキングは、「海外の団体数」が多かった順に並べて作成した。

 調査では、視察数の対象を「自治体職員または地方議会議員」によるものとし、「国の機関、独立行政法人、外郭団体などによる視察」「学生の教育・研修のための見学・視察」を除いて回答してもらった。ただし、各自治体の回答には、視察者の属性を区別できていない視察が含まれている可能性がある。

■回答一覧

具体的な有効回答は、自治体別に「視察の多い事業一覧2019(東日本編)」「同(西日本編)」として一覧にまとめた。

訂正
人口規模別ランキング(10万人未満)1~50位において、18位の2団体、27位の3団体、37位の3団体において、それぞれの施設・事業名称が入れ替わっていました。お詫びして訂正します。データは修正済です。 [2019/10/21 14:16]

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