「運営重視型PPP」に求められる3つの条件 (1)事業をデザインする

 これまでのPPP事業では、とりわけ「どんなモノ・ハコを整備するのか」という、対象とする施設の整備計画に重点が置かれてきました。これに対し、「運営重視型PPP」においては、整備計画以上に整備後の運営事業に力点を置いた事業計画を練ることになります。つまり、従前の基本計画や整備計画に加えて、長期の運営事業を見据え、

  • 誰を/何をターゲットに実施する事業で、どんなサービスを展開するのか
  • そのサービスを付加価値高く展開するためにどんなプレーヤーを想定するのか
  • 当該事業がどのようなステップでまちづくりに波及・展開していくのか

 といった事業のデザインを関係者間で練り上げ、共通認識としておく必要があります。

 例えば、北九州市が実施した「北九州市スタジアム整備等PFI事業」では、事業者が小倉駅新幹線口地区におけるエリアマネジメントに協力することが要求水準書に明記され、事業者が対象施設の運営のみならず、周辺地域のまちづくりにも参画することがデザインされています。

北九州市スタジアム(ミクニワールドスタジアム北九州)(資料提供:北九州市)
北九州市スタジアム(ミクニワールドスタジアム北九州)(資料提供:北九州市)

 また、大津市が実施した「大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業」では、事業者に対し、自らの投資による多目的広場の整備・運営と市への譲渡を求めました。つまり、市が所有する公園が民間事業者の整備する商業施設内に設置され、民間事業者が市の公園と一体的に商業施設を管理運営する事業条件となっています。この条件により、公有地における民間開発事業でありながら、公園という公共空間が商業施設内に取り込まれ、商業施設と公共空間のバランスが確保されたまちづくり拠点となることがデザインされています。

大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業(ブランチ大津京)の着工発表時に公開された外観イメージ(大和リースの発表資料より)
大津びわこ競輪場跡地公募提案型貸付事業(ブランチ大津京)の着工発表時に公開された外観イメージ(大和リースの発表資料より)