「運営重視型PPP」のススメの第2回目となる今回は、文化ホールを含む複合施設のPFI事業において、設計事業者に先立って施設運営者のみを選定する「サービスプロバイダー方式」を導入・事業化した「(仮称)箕面船場駅前地区まちづくり拠点施設整備運営事業(大阪府箕面市)」(2021年4月オープン予定)を紹介します。どのような背景・事業デザインの下で「サービスプロバイダー方式」を導入したのかを解説し、まちづくり拠点施設整備事業のキーパーソンであった前箕面市長の倉田哲郎氏(現・アルファ建築設計事務所 上席部長)に、事業立ち上げ当時の思いや今後への期待などのコメントを寄せていただきました。

拠点施設の外観イメージ(文化ホール)(資料:箕面市)
[画像のクリックで拡大表示]

事業の概要:新駅の前に文化ホール、図書館などの複合施設

 「(仮称)箕面船場駅前地区まちづくり拠点施設整備運営事業」は、2023年開業予定の北大阪急行電鉄・箕面船場駅前に、文化ホール(大ホール約1400席、小ホール約300席)、生涯学習センター、図書館、駐車場、デッキ、駐輪場等の各種公共施設を整備・運営する事業です。文化ホールの管理運営を担う運営管理予定事業者を先行して市が選定し、その後に施設全体の整備と維持管理を担う整備等予定事業者を募集。さらにその後、両者が同事業を一体的に実施するSPC(特定目的会社)を設立するという事業スキームです(関連記事)。

 なお、図書館・生涯学習センターについては、箕面市の(仮称)箕面市立船場図書館及び(仮称)箕面市立船場生涯学習センターと隣接する大阪大学の図書館が合築されたもので、大阪大学の図書館と箕面市の図書館及び生涯学習センターは大阪大学が指定管理者として管理運営することになっています。指定期間は2021年4月から5年間。箕面市から大阪大学への指定管理料は支払われないという条件です。

整備する施設と周辺施設などの配置図(資料:箕面市)
[画像のクリックで拡大表示]

 文化ホールの運営管理予定事業者は2017年6月9日、ホール運営や各種公演・イベントのプロモーション、アーティストのマネジメント事業などで豊富な実績を有するキョードーファクトリーが独立採算での文化ホールの運営を提案し、選定されました。その後、2017年10月27日に整備等予定事業者を募集、2018年1月26日に整備等予定事業者を大林組グループに決定。同年3月26日には、SPCのPFI箕面船場まちづくりと特定事業契約が締結されました。

* 代表企業(契約時):大林組、構成企業:キョードーファクトリー、東京ビジネスサービス

 PFI事業期間(整備・運営管理期間)は2018年3月24日から2036年3月31日までの約18年間。2021年4月のオープンを目指しています。総事業費は約137.8億円。別途、PFI事業者は市に対して、総額で約1.6億円の納付金、賃借料を支払います。施設の整備費は箕面市が負担(一部は民間事業者が資金調達)しますが、施設全体の管理運営は利用料金収入などによる独立採算となっています。

現在の施設整備の様⼦(2020年10⽉撮影)(写真:南尾祖)
[画像のクリックで拡大表示]
事業スキームのイメージ(資料:日本総研作成資料)
[画像のクリックで拡大表示]
(仮称)箕面船場駅前地区まちづくり拠点施設整備運営事業の選定事業者(資料:日本総研作成資料)
[画像のクリックで拡大表示]