3.運営重視型アリーナの新潮流――愛知県新体育館整備・運営等事業

 次に、アリーナの「運営重視型PPP」の最新事例である愛知県新体育館整備・運営等事業の概要をご紹介します。名称に体育館が使われている理由は、現体育館が存在するからですが、事業内容はまさしくアリーナとなっています。

 愛知県新体育館は、2025年夏オープンを目指して、名城公園北園の一部である約4.6haの敷地に整備します。管理者は名古屋市(土地は国有地)。名古屋市営地下鉄名城線名城公園駅(徒歩約1分)というアクセスです。

 総合評価一般競争入札の結果、愛知県は2021年2月にNTTドコモ等を代表企業とするAichi Smart Arena グループを落札者として選定し、10月にNTTドコモらが設立した特別目的会社、愛知国際アリーナと特定事業契約を終え、現在設計が進められている状況です。

外観イメージ(提案段階。今後変更となる場合がある)(出所:愛知県)
外観イメージ(提案段階。今後変更となる場合がある)(出所:愛知県)
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<事業者概要>
事業者名:愛知国際アリーナ
所 在 地:名古屋市中区栄5丁目25番25号(前田建設工業中部支店内)
代表企業:<設計・建設時>前田建設工業
     <維持管理・運営時>NTTドコモ
その他の出資者  Anschutz Sports Holdings(Anschutz Entertainment Group)
           三井住友ファイナンス&リース など
契約金額:サービス購入料 19,999,100,000円(税込)
事業期間:<設計・建設期間> 2021年6月1日から2025年3月31日(3年10カ月)
     <維持管理・運営期間> 2025年4月1日から2055年3月31日(30年)

 事業方式は、施設設計・建設については、BT(Build Transfer)方式、維持管理・運営について公共施設等運営権(コンセッション)方式を採用。事業者に使用許可権限を付与するため、公の施設の指定管理者制度も併用することとしています。ちなみにこのようなBT+コンセッション方式は我が国では初めての事業手法です。そもそもコンセッションは空港等既存施設が対象となる手法だったからです。

 名古屋城の旧二の丸御殿跡にある現体育館は、1964年10月の東京オリンピックの直前に完成した施設です。以来、半世紀以上、夏の風物詩にもなっている大相撲名古屋場所の開催などを通して、県民に親しまれている施設です。しかしながら、施設の老朽化とともに、同じ頃に建設された、国内の他のスポーツ施設と同様に、規模、機能とも国際水準を満たしていません。そこで、2026年アジア競技大会に利用できるよう、新体育館の移転・新設に向けた準備を進めることになりました。

■新体育館の計画地
■新体育館の計画地
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アクセスは市役所駅から徒歩約10分(出所:愛知県)
■事業者決定プロセス
■事業者決定プロセス
(出所:愛知県)
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