②BTコンセッション方式

 民間事業者が、「貸館」「非貸館」の事業を積極展開して施設の収益性を確保していくビジネスモデルを実現するためには、どのような事業手法が望ましいでしょうか。愛知県ではBTコンセッション方式を採用しました。徹底してこだわったのは、アリーナビジネスを実施し、収益を生み出す企業が施設設計に大きく関与すること、です。サービス購入費の「受託」を目的とする企業と契約するのではない、という考え方を事業者選定では重視しています。事業スキームは、設計・建設費と30年間の維持管理・運営費の合計額から利用料金収入等を差し引いた額をサービス購入料として、民間事業者に支払うスキームとしています。

■事業スキーム図
■事業スキーム図
(出所:愛知県)
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■サービス購入料(予定価格)の考え方
■サービス購入料(予定価格)の考え方
(出所:愛知県)
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 上図のように、愛知県は民間事業者が設計・建設から維持管理・運営(30年)をいくら(予定価格)で実施できるかの提案を受ける形になります。

 まず、施設・整備(BT)の事業契約と運営権設定の実施契約(停止条件付)の契約形式をひとつにまとめ、特定事業契約としたことより、愛知県は、設計・建設費全額(300億円以上と想定)ではなく、サービス購入料(予定価格:200億円、税込み)のみの予算措置をすればよくなりました。

 また、設計・建設費の上限を定めないことで、愛知県は、民間事業者の自由な提案を受けることができることにもつながります。

③利用料金収入

 利用料金のルールも、事業者が様々なサービスを展開しやすいような設定としました。事業者の提案に基づき、愛知県と協議のうえで事業者が設定し、事業者に帰属させることとしています。PFI法23条(公共施設等の利用料金)を適用しました。また、同条3項を適用し、「事前届出」で足りることとし、収益機会を担保するようにしました(民民のビジネスに制約をかけない)*。チケット代2万円のコンサートと5千円のコンサートでは利用料金負担能力が違うので、あらかじめ設定してしまうことはビジネスチャンスを台無しにしてしまうという発想です。

* ただし、入場料が無料または少額な行事日の利用料金(一般利用日)については、愛知県が定める条例の範囲内で事業者が設定し、事業者に帰属させることとしている(公の施設としての位置付け)。

④応募者の構成

 PFI事業では一般的に、応募者は参加表明書において業務一覧に示す業務を行う応募者などの企業名と携わる業務を明記します。しかし、今回は「統括マネジメント業務」以外の業務については、実施する企業名の明記がない場合でも応募できるものとし、各業務段階に着手するまでに、各業務に従事する企業を決定し、愛知県の承認を得ることで足りることとしています。また、代表企業についても事業段階に応じて交代が可能な条件設定としていました。これは、②において述べたことが背景にあります。

⑤他施設との連携など

 周辺地域の他施設と連携を行うための官民連携組織などを組成し、関係者が一体となって取り組む方策を検討していくことになっています。