……も夢じゃない、かも。

解説:増え続ける空き家、物件探しがネックに

2018年10月の総務省の発表によれば、国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.6%、戸数も最多の846万戸になった。

一方で、空き家をリノベーションしたカフェや宿泊施設が各地に生まれている。アドレス(東京都千代田区)による「ADDress(アドレス)」、KabuK Style(長崎市)による「HafH(ハフ)」など、複数の空き家やゲストハウスが定額で使い放題になるサービスも登場した。低価格で市場に出る物件も多く、今後も増え続ける空き家ストックに、各業界が注目している。

とはいえ、空き家を使って事業に挑戦したいと思ったとき、ネックとなるのは物件探しである。各自治体も調査に乗り出してはいるが、空き家特別措置法の対象となる撤去が必要な危険な空き家のみが調査対象である、外観からのみの判断で現状は不明、登記上の所有者に連絡が取れないなど、空き家を活用したいと思っている人にとって有益な情報とは限らない。自治体が設置する空き家バンクが機能していれば良いが、「サイトはあっても登録物件は数件」ということも少なくない。

結局、不動産屋の賃貸物件を探すことになることが多くなるわけだが、低価格の空き家物件の仲介手数料は昨年の改正を受けても低い水準(400万円以下の物件の場合最大で14万円)であるため、取り扱いがないケースもある。所有者が荷物置き場に使っている、年に一回法事で使うなど、日常的に使う人がいなくても空き家にはならないケースも多々ある。

空き家というのは状態を指しているのであって、要するに所有者の意思決定をもって売却か賃貸、はたまた解体となる前の物件である。そしてその状況は個々の物件によって違う。最終的には空き家オーナーの意思次第。気に入った空き家に住みたい人や、活用して事業をしたい人や企業は、これぞ!と思う物件に出会ったら、熱意を持って所有者を口説くのが吉だ。

■公民連携の視点から
このように、空き家ビジネスは基本的には民対民の取り引きだ。とはいえ、放置すれば治安や景観の悪化につながり、活用できれば地域活性化につながる空き家対策は、自治体としても促進したいところだ。

例えば、空き家・空き地バンクの成約数が多いことで知られる栃木県栃木市では、利用者だけでなく所有者側のインセンティブも必要と考え、地主・家主向けの解体費補助金などの助成制度を用意した。これが空き家を放置していた所有者の気づきにつながり、空き家バンクへの登録も増えていったという(関連記事)。

大阪市生野区では、補助制度や相談窓口の設置に加え、広報誌に「いくのDEリノベ」というコーナーを設けている。ここでは、「古い家屋をリノベーションし、自分らしく」暮らしている人の情報を定期的に発信して、空き家活用の機運を高めようとしている。