ガラガラになった商店街、特効薬はあるか?

解説:それぞれの空き店舗や地域の実態に合った事業を

後継者不足や少子高齢化による客足の減少など多くの課題に悩まされている商店街。昔は活気があっただけに、現状を憂う声も多いだろう。

日本独自のエリアマネジメント組織ともいえる商店街振興会が機能して、活気を保っている商店街もたくさんある。だが、シャッター商店街では、振興会も役割を十分に果たせなかったということなのだろう。

また、空き店舗や空き地がそのまま放置されているのは、「それでも経済的に困らない」「全盛時の高い家賃収入にこだわる保守性」といった大家(不動産オーナー)側の事情だったりすることも少なくないようだ。

そうした中、若者や新しい考え方を持つ事業者によって、さびれていた商店街に活気がよみがえりつつある事例も出てきた*1

新しい手法も確立されつつある。例えば、空き家や使われなくなった商業ビルなどを再生しながら、補助金に頼らずにエリアの価値を高めていく「リノベーションまちづくり」の手法は、全国で50カ所以上のエリアで展開され、広がりを見せている*2

ここで重要になってくるのが、保守的な不動産オーナーの意識改革だ。リノベーションまちづくりの創始者である清水義次氏は「パブリックマインド」の重要性を指摘する*3。シャッターを下ろしたままの店舗の存在は、商店街の雰囲気を悪くし、場の価値を下げる。つまり、“シャッター店舗”のオーナーは、周囲に迷惑をかけているということに無自覚であり、パブリックマインドが欠如しているともいえる。清水氏はこう語る。

「公民連携の時代のまちづくりで求められていることは、皆が『不動産などの財産を持った瞬間に、その財産はすべてパブリック性を持つ』ということを認識するところから始まるんです」

「行政には、『パブリックマインドを持った民間』が育つための土壌づくりの努力をしてほしいと思っています」

空き店舗への家賃補助を安易に行うばかりではなく、行政には、実態に即した商店街振興策の企画が求められているといえそうだ。

■注釈
*1 例えば、「ただの遊び場」(秋田・五城目町)、「KISSA&DINING『山ノ舎』」(浜松市)、「わいわいコンテナ2」(佐賀市・関連記事)、「商店街HOTEL 講 大津百町」(大津市・関連記事)など。
*2 リノベーションまちづくりの事例は、事業を展開しているリノベリングが運営するサイト「リリリリノベーション」で見ることができる。
*3 清水義次氏インタビュー「都市経営の基本は、民間が稼ぐこと」(新・公民連携最前線)より