「時間のかかるややこしい制度」だと敬遠していませんか?

解説:正しく理解して制度を活用しよう

PFI (Private Finance Initiative)とは、民間資金等を利用した社会資本整備を指す。日本では1991年に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」が制定され、以降、同法に則った事業数は2018年度末までに740件*1を数える。

件数こそ増えてきているが、自治体や公共事業を行う事業者によっては、「時間のかかるややこしい制度」といった以上の理解がなかったりすることもある。PFIに対する積極度は、まだまだ地域によって温度差はかなりあるようだ。

しかし、職員不足、財源不足などから、今後はPFIなどの公民連携手法の導入を検討せざるを得なくなる自治体は増えるだろう。その結果、自ら手を動かしてPFIの導入を経験する担当者が増えれば、自治体職員の意識も変わっていきそうだ。

公共施設等運営権(コンセッション)方式*2で古い町家を活用したホテル事業を進めている岡山県津山市の担当者は、「コンセッション方式は空港や水道といった大規模インフラでなくとも適用できる。業務要求水準書の策定やVFM(Value for Money)の算定は必須ではない、運営権対価はゼロでも構わない、といったことが分かった。この制度に対する先入観のようなものを払拭できた」と語る*3

複数の住宅事業でPFIを導入している兵庫県西宮市の担当者は、「確かに手続きが煩雑な面もあるが、PFI法というバックボーンがあり一連の手続きが規定されているので、議会など関係者に説明しやすく、理解を得られやすいと感じている」と、経験を通じた実感を語っている*4

なお、最近導入が増えている公園整備手法、Park-PFI(公募設置管理制度)*5は、都市公園法に新たに定められた制度であり、PFI法に基づくものではない。いずれにせよ、手法ありきではなく、理想の実現のために手段として使いこなせるよう、正しい理解が必要だ。

■注釈
*1 「PFI事業の実施状況(平成30年度末)について」(内閣府)による。
*2 利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式。2011年のPFI法改正で導入された。「コンセッション(公共施設等運営権)事業」(内閣府)などを参照のこと。
*3 新・公民連携最前線「一棟貸しの町家ホテルをコンセッションで運営、津山市」より
*4 デザインビルドとBT方式のPFIを比較しての発言。新・公民連携最前線「4度の経験で進化、西宮市の市営住宅PFI」より
*5 「都市公園の質の向上に向けたPark-PFI活用ガイドライン」(国土交通省)などを参照のこと