関係部署間で連携が取れなければ、社会課題は解決できない。

解説:部署を超えて、同じ目標に向かって走れる体制を

もはや一般化した言葉でもある「縦割り行政」。管轄ごとにピラミッド化された組織構造により、融通が効かずに行政サービスが非効率に陥ることを揶揄する言葉である。この「縦割り行政」によって「たらい回し」のような問題が生じるわけだが、最大の弊害は、新しい社会課題に十分な対応がしにくいということだろう。

その弊害は公民連携事業の現場においてもしばしば見られる。例えば、こんなことが起こる。民間事業者が公園で新しいことをしようとすると、行政の企画系の部署では積極的にサポートしてくれる。一方で、公園課など管理する立場の部署に情報が十分伝わっていないことで摩擦が生じる……自治体「あるある」な光景の1つである。

地域の社会課題が複雑化するにつれ、その解決は行政の一部署だけでは難しくなってきている。多くの自治体が掲げる「健康寿命の延伸」は、その典型といえる。まずは医療部門と福祉部門の連携が必要になるのは言うまでもないが、住民の「健康」を維持・増進するためにはもっと幅広い部署が関わる施策が求められる*1。スポーツ振興、歩けるまちづくり、公共交通の利用促進、住環境改善、食事内容の改善、地域コミュニティ活性化、医療ビッグデータ活用……多岐にわたる部署が「健康寿命の延伸」という共通のゴールを目指して連携していかなくては、目標達成は難しいだろう。

行政組織のありを変えるとなると大ごとのように思えるかもしれないが、情報共有の仕組みやコミュニケーションの方法を工夫することで横の連携を深めるやり方もある。部署を超えて、事業に携わる人すべてが、同じ方向に走っていけるような、柔軟な体制構築*2が望まれる。

■注釈
*1 健康に関しては、各自治体が様々な施策を行っている。新・公民連携最前線の特設コーナー「健康ソリューション」では、「健康」と地域活性化を結び付けた取り組みをウォッチしている。
*2 行政組織のあり方の問題点については、 PPPまちづくりかるたの「や:役所の妖怪『たらいまわし』」「た:担当異動でふりだしに」「こ:これぞスーパー行政マン」などを参照のこと。