マーケットで賑わいづくり。
一過性のイベントで終わらせてはもったいない!

解説:目的を定め、持続的に開催することで街のチカラに

広場や道路、公園などで開催されるマーケット。

「マルシェ」「市(いち)」など呼び名は様々だが、最近では各地で開催され、人で賑わう風景を目にするようになってきた。

仮設で行うことが前提のマーケットは、多額のハード整備が必要な事業に比べ、オープンスペースの確保さえできれば可能となるため、気軽に始めやすく、賑わいも見えやすい。まちの人の日常的な買い物場所になっていたり、観光スポットになっていたりと、マーケットによってその特徴は様々だ。

2018年に『マーケットでまちを変える』(学芸出版社)を著した鈴木美央氏は、次のようにコメントする。

「マーケットは『目的』ではなく『手段』であり、コミュニティの形成、場所の魅力向上、スタートアップへの機会提供、観光振興など多様な効果をもたらします」*1

こうした効果に着目し、また、公共空間の活用に対する関心の高まりもあり、民間主導でのマーケットだけでなく、自治体の都市政策の一環で社会実験として実施するマーケットも増えている。鈴木氏によると、英国ロンドン市では、都市戦略の中でマーケットが位置付けられているという。

「最近、日本でもマーケットを活用して地域課題に取り組む事例が増える一方、開催すること自体が目的になって疲弊している事例もあります。インキュベーションや、コミュニティ形成など、目的を設定し具体的な対応を重ねれば良いマーケットはできます*2。日本で新しいマーケット文化が根付くのか、今は過渡期にあるといえるでしょう」(鈴木氏)

マーケットを一過性のイベントとして捉え、おしゃれな風景ができて満足するだけにとどまってしまってはもったいない。マーケットの持つポテンシャルのごく一部しか活用できていないといえる。

立ち上げる目的を仲間と共有し、取り組むことで、各地でマーケットの個性が発揮され、効果的に街を変えていくきっかけとなるはずだ。

■注釈
*1 「新・公民連携最前線」掲載の稲垣憲治氏による寄稿「Yanasegawa Market(埼玉県志木市・館近隣公園) ~公園活用のマーケットから生まれる多様な効果~」では、マーケットの経済効果のみならず、地域コミュニティの形成や地域の魅力向上といった効果を報告している。なお、Yanasegawa Marketは鈴木美央氏が企画・運営をしている。
*2 目的を定めたマーケットとしては、例えば、神戸のファーマーズマーケット「EAT LOCAL KOBE」(地産地消)、東京・池袋のグリーン大通りや南池袋公園で開催している「nest marche」(エリア活性化)などがある。