その未来、実現可能?

解説:可能だとしても、それは住民が望むもの?

最先端技術とデータを活用し、高度な課題解決と効率的な都市運営を目指すスマートシティ。現在、エネルギー、交通、福祉などの各分野における様々な実証実験が、スマートシティの実現に向けて日本各地で精力的に行われている。

こうした動きの中で国は、従来のスマートシティとは異次元の、生活全般にわたる「丸ごと未来都市」をつくる「スーパーシティ構想」を打ち上げている。キャッシュレス決済、自動運転、ドローン開発、遠隔医療などの最先端技術を使ったサービスをまとめて実現させようとするもので、大胆な規制緩和により経済成長の起爆剤となることが期待されている。

このような“未来都市”の構想は、ともすると技術とデータの力で何でも解決できそうな錯覚に陥るが、必ずしもそうはならない。

例えば、マイナンバーカードは、利便性をいくら強調してもなかなか普及が進まない(交付から3年半たった2019年7月時点で13.5%)。まずは利用者が使いたいと思わなければ、普及は覚束ないということだろう。

国が構想するスーパーシティでは、常にオープンな連携を可能 にするためのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を設計する構想だ。すべてがつながるのは素晴らしいに違いないが、住民が使いたいと思うサービスが提供できなければ、「それが何か?」という反応にもなりかねない。

そうならないためにも、逆からのアプローチ、つまり、本当にほしい未来を想像し、浮かび上がる課題に一つずつ取り組むことから始めていくというアプローチも大切なはず。地域における小さな一歩から、全国標準、世界標準のスマートな都市サービスが生まれてくるかもしれない。

■関連かるた
「スマートシティ」というまちづくりを実践していくのであれば、利用者目線が重要なのは言うまでもない。これまでの「PPPまちづくりかるた」でも、利用者目線の重要性は再三訴えている。

つくる前から使い手つくれ
無駄に広いなこの道路
絵に描いたまち
魔法の言葉「賑わい創出」
カフェさえあれば いい図書館?
うちにも同じのつくってよ