車優先のまちづくりから、人優先、歩きやすさ重視へのシフトを

解説:歩いて楽しい街は、人にも環境にもやさしい

何車線もある車道に対し、狭くて歩きにくい歩道。高度経済成長期ならさておき、成熟期に入った日本の多くの街に、そんなに多くの車道は必要だろうか*1

パークアンドライド、コンパクトシティ、ウォーカブルシティ*2など、市街地から車を減らし、歩いて楽しいまちを目指す施策は、大気汚染の緩和や市街地の小売店の売り上げ増など、環境や経済にも良い効果があることが各地で実証されている。ニューヨークのブロードウェイストリート*3は、目抜き通りを歩行者専用道路に変えて賑わいを生み出した世界的な成功事例といえるだろう。

もちろん、ただ広い歩道をつくればよいわけではない。事前の綿密な交通量測定による渋滞の回避、広がった歩道でオープンカフェができるようにするなど、活用のための規制緩和や、公共交通機関の拡充、歩いてめぐれる拠点の整備など、総合的な視点が求められる。

■注釈
*1 例えば、大阪では「車道を人に返す」エリアマネジメント活動が進んでいるという(関連記事)。神戸では三宮で車線規制の交通実験が始まっている(関連記事)。各地でパークレットやストリート・シーツを実験的に設置する例も増えてきた(関連記事12)。
*2 国土交通省では、「居心地が良く歩きたくなるまちなか」の形成を目指す「まちなかウォーカブル推進プログラム」を展開、同プログラムに賛同する「ウォーカブル推進都市」に160自治体が参画している(関連記事)。
*3 詳しくは「タイムズスクエアの歩行者天国」(公共R不動産)、「ジャネット・サディク=カーン氏来日記念講演会 ~街路が変われば世界が変わる~ 開催レポート」(国土交通省)などを参照のこと。なお、ロンドンのオックスフォードストリートも同様の構想があるが、迂回した車の排気ガスによる大気汚染を懸念する近隣住民の反対に合い難航している。