あの手この手で移住者を呼び込み。でも、それって持続可能ですか?

解説:補助や助成で移住者を増やしさえすればいいのか

地方でのまちづくり施策の中で、必ずといっていいほど掲げられるテーマが「移住」。最近では、住居の無償提供や交通費の補助、現金での助成など多彩なメニューを用意して、各自治体が移住者支援を充実させている。

ただ、行き過ぎた特典は、まるで目先の餌で釣っているようにも見えてしまう。「補助の切れ目が縁の切れ目」ということにもなりかねない。

地方が生き残る道は、人口増を競うことだけではないはずだ。移住についても、とにかく促進すればよいというものではないだろう。新たなマネジメント視点を持ったまちづくり*を行うことで、勝ち負けではなく、各地に持続可能な未来のまちが育っていくことに期待したい。

■注釈:新たなマネジメント視点を持ったまちづくり
* 移住に関連する例としては、徳島県神山町の取り組みが有名だ。IT企業を中心にサテライトオフィスが数多く進出している神山町のまちづくりをけん引する、NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也氏(関連記事)は「創造的過疎」(数ではなく内容を重視して多様な人材誘致をしようという考え方)を提唱する。

また、遊休農地の開墾や企業ファームの取り組みで山梨県北杜市の移住者増に大きく貢献したNPOえがおつなげての曽根原久司代表理事は、「移住に至るまでの段階的なプロセスが必要」「その第一歩が交流」と語る。ワークショップや座談会など年間100回以上の交流の場を用意しているという(関連記事)。