柔軟性と行動力を兼ね備えた行政マンが、公民連携事業を成功へと導く

解説:成功事例の裏に「スーパー行政マン」あり

「スーパー行政マン」*1というと、自ら革新的な事業を企画し、地域経済や街の活性化に大きく貢献する自治体職員を連想する人が多いのではないだろうか。

だが、そんな風には表に出てこない「スーパー行政マン」も存在する。特に、新しい形で成功した公民連携事業では、高い柔軟性と行動力に秀でた「スーパー行政マン」がプロジェクトを支えているケースが多い。前例のない事業では、様々なハードルや制約を超えなくてはならない。自治体の担当者が「お役所仕事」をこなすだけでは、打開は難しいということだろう。

そんな「スーパー行政マン」をはじめとする、やる気のある職員同士は、SNSで簡単につながることができる時代になった。しかし、行政組織としてスーパー行政マンの活躍を後押しするような仕組みは、まだまだ整っていない。逆に、その組織風土が、往々にして彼らの活躍を阻んでしまいがちだったりもする。

「行政の人事制度や運用方法において根本的な改革が必要」と指摘するのは、『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード』*2を主催するホルグ(本社:横浜市)代表取締役社長の加藤年紀氏だ。

「一つは専門性が育たない“定期異動”*3。そしてもう一つは“年功序列”の給与体系が問題だ。頑張っても評価されないどころか、チャレンジして失敗すれば評価が下がってしまう。成果を上げたら上げたで、役所内で嫌われる……これでは、職員のモチベーションは保てない。大阪府箕面市のように“年功序列”を廃した給与体系を採用した自治体もあるが、現状ではまだ例外的だ」(加藤氏)

自治体の財政状況は厳しさを増し、一方で個人のライフスタイルの多様化が進む。社会の変化も早い。そんな時代の複雑な地域課題は、自治体の力だけでは解決できない。民間企業や市民との連携をこれまで以上に進める必要がある。自治体がそんな時代に対応する柔軟な組織風土を醸成するには、基盤となる人事制度の確立が急務ではないだろうか。

■注釈
*1 もちろん、男性(マン)ばかりではないが、ここでは有名なヒーローになぞらえてそう呼んでいる。「スーパー公務員」と称されることも。
*2 最新(2018年)の同アワードの結果はこちらへ。
*3 PPPまちづくりかるた「た:担当異動でふりだしに」を参照のこと。