皆の思い出の詰まった学校がなくなってしまうのはとても残念……
一方で、活用事例も続々登場している。

解説:ネガティブに捉えず、魅力的な活用事例を増やそう

文部科学省の発表によると、2002年度から2017年度までに発生した廃校の数は7583校になるという。年間の発生数では、2016年度が406校、17年度が358校。1日1校以上のペースで廃校が出現しているということになる*1

「廃校」は、少子化や人口減少を連想させるため、地域の悲観的な衰退状況を示す象徴的な存在として捉える人もいるだろう。「1日1校以上のペースで廃校が」と聞くとネガティブな印象を持つかもしれない。しかし、廃校全体の約75%に当たる4905校では、何らかの形で活用がなされており、魅力的な事例もどんどん出現している。活用が進む背景には、事業者の地元への思いもあるようだ*2。決して悲観的とばかりは言えない面もあるのだ。

文部科学省では、「みんなの廃校」というプロジェクト*3を立ち上げ、未活用の廃校施設などの情報を集約・公表し、民間企業の活用を促す取り組みも行っている。こうした情報共有の仕組みが整うことによって、「廃校は活用するものである」ということが世の常識になれば、目を向ける事業者もさらに増えるだろう。遊休化した廃校がゼロになる日も夢ではないかもしれない。

■注釈
*1 「平成30年度 廃校施設等活用状況実態調査の結果について」(文部科学省、2019年3月)より。
*2 「愛媛における廃校活用の現状について」(いよぎん地域経済研究センター、2018年2月)によると、調査のために廃校を活用している事業者にヒアリングをした際に多く聞かれたのが、「廃校をこのままにしておいては、地域が衰退してしまう。なんとかしたかった」という思いだったという。
*3 文部科学省の「みんなの廃校」プロジェクトでは、未活用の廃校情報のほか、活用事例の紹介なども行っている。