理想的な公と民のカップルを生むには、新たな出会いが必要だ。

解説:相性の良い相手と出会うことが、公民連携の成功につながる

公民連携事業の実施機運が高まるにつれて、顕在化してきた課題がある。公と民の「マッチング」だ。

せっかく活用できそうな遊休施設を持っている自治体も、その施設を使いたい民間事業者と出会えなければ宝の持ち腐れだ。マッチング不全による機会損失は、これまでに数えきれないほどあったに違いない。

自治体側も、何もしていないわけではない。早期段階からの民間参画を促す「サウンディング型市場調査」の実施や、民間からの自主的なアイデアを募る「民間提案制度」の整備をする自治体はずいぶん増えてきた。

オガール・プロジェクト(岩手県紫波町)における「PPPエージェント」や、大阪城公園(大阪市)における「パークマネジメント事業者」のように、自治体に代わって事業を推進する民間事業者を選定して、そこから先の実務を委ねるという方法も実行されている。

さらに新たな手法の試行も進む。2018年3月には、兵庫県丹波市など7自治体が参加した合同廃校マッチングイベント「廃校利活用フェア2018 in たんばCITY」が行われた(主催は丹波市)。大学生が企画したイベントとしても話題となった。

従来の公募プロセスとは全く異なるやり方として注目を集めたのが、公共R不動産が2018年9月に実施した「公共空間 逆プロポーザル」だ。まず、民間事業者が自由で独創的な「こんなことをしたい!」という企画をプレゼンし、その企画を「実現したい!」と思う自治体が手を挙げて事業者を勧誘するという仕組みだ。ここでは従来の受発注者という関係を超えて、両者は必然的に同じ目標に向かっていくことになる。

公民連携事業を成功させるためには、高い志をもった自治体と、創造力にあふれ確かなノウハウを持った民間企業がいかに出会うかが重要だ。そのために自治体は、手近なところだけで済まそうとせず、まだ見ぬ理想の民間事業者を探す努力をもっとすべきではないか。公と民をマッチングさせるために、さらに多様なマッチング手法の開発が望まれる。