公共事業は儲けちゃいけない?
呪縛に囚われず、きちんと稼いで地域還元できる仕組みを

解説:コスト削減にとどまらない公民連携を

特定の企業だけを儲けさせるのはいかがなものか――。公民連携のプロジェクトが立ち上がると、必ずと言っていいほど投げかけられる苦言だ。

しかし、例えば維持費ばかりが掛かる遊休資産を、民間が有効活用して儲けることができれば、税収も潤うし、雇用も増える。公序良俗に反するような事業でなければ、地域にとって悪い話ではないはずだ。

分かりやすい例の1つが、埼玉県深谷市や北海道室蘭市で実施した「マイナス入札」だ。自治体がいくら考えても活用のめどが立たなかった遊休資産について、「維持管理コストを考えれば、お金を払ってでも民間に活用してもらった方が得策」という考え方だ。「マイナス入札」とまではいかなくても、固定資産税の減免、借地料の減免などが行われるケースもある。

そういった金銭面での優遇はなくとも、公共資産を活用する以上、事業者選定に際しての透明性・公平性の確保は、もちろん大前提だ。最近増えてきた「民間提案制度」は、透明性・公平性を担保しながら民間のアイデアを導入するための施策の1つといえるだろう。

利益の地域還元も、場合によっては盛り込むべきだ。稼いだお金の一部を公共施設の維持管理費に回す、収益に応じた賃料を徴収するなど、利益が地域に還元される仕組みがあってもいいだろう。財政難の昨今、コスト削減ばかりに目が行きがちだが、公共事業でも収益を上げて、行政の負担を減らす仕組みをつくるほうが健全ではないだろうか。

一方で、「公園に飲食店を導入した結果、市民に親しまれていた景観が破壊されてしまった」といった本末転倒な事態は避けなくてはならない。「パブリックマインドのある民間事業者」を地域で見出す/育てることも、これからは行政の大きな役割となってくるだろう。