「市民が主役」のまちづくりを

解説:目的を見失わず、常に自問を

PPP(公民連携)やまちづくりで目指すべき方向について考えてきた「PPPまちづくりかるた」。原則を突き詰めれば、それは「市民のためになる」かどうかということになろう。とはいえ、言うは易し、行うは難し。日々の業務に忙殺されたり、組織の力関係の中で忖度したりと、その原則を見失ってはいないだろうか。

そもそも、「市民」とはだれを指すのだろう?住民票がある人なのか、昼間人口や交流人口といった、働く人や訪れる人も含むのか。今を生きている人だけでなく、将来を担う人のことはどれくらい考えるべきか。多くの人の利益のために、少数の人が不利益を被りそうなときは、誰が優先されるのか。

「ためになる」とはなんだろう?経済的利益なのか、社会的利益なのか、はたまた税金の効率的な運用という視点なのか?数値化できない「居心地よさ」や「安心感」のような価値もあるだろう。

何が「市民のため」になるかは、地域によっても、時代によっても変わっていく。多くの市民の支持を得たからといって、それだけでは持続可能なまちづくりにならないこともある(いわゆる「オールド・ニュータウン」の現状を見れば、それは明らかだ)。

そもそも、地域の市民全員が賛成してくれるまちづくりプロジェクトなど存在しないだろう。けれど、個人として賛成してくれなかった市民も、市民であることに変わりはない。だからこそ、そうした“反対派”の人たちにも、結果として納得してもらえるようなまちをつくっていかなくてはならないはずだ。

また、「市民のために」というと、市民はサービスを享受する主体のようにもとれるが、そうではない。そのまちのあり方は、究極的には、選挙を通じ、市民が選んでいるものである。行政ではまかないきれないか必要な公的サービスは、NPOや自治の組織といった市民同士の力でサポートするといったコミット方法もある。公民連携は市民が自分たちの欲しい未来をつくるための大きな一手だ。うまく使いこなすのもつぶすのも、市民の選択である。

公・民どちらの立場にせよ、まちづくり関係者一人一人が、常に自問しながら業務を進めることが重要だ。

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