「人がいない」「分からない」……だから丸投げ?

解説:改めて行政の立ち位置の確認を

指定管理者制度、包括的業務委託、コンセッション(公共施設等運営権制度を活用したPFI)など、従来行政が担ってきた業務を民間に任せることでサービスのレベルアップやコストダウンを図る手法はいろいろ出てきた。そのメリットとリスクの見極めを、行政はきちんと行えているだろうか。

行政の人手不足、専門人材不足を理由に、民間に事業を任せるケースも少なくないようだ。仕方がない面もあるとはいえ、「日常の管理は指定管理者任せでしのいできたものの、長期修繕計画がおざなりで老朽化対応に困っている」「任せた民間企業の資金調達が目論見通り進まず計画が延期に」といった弊害も各所で見聞きされる。

さらに言えば、施設の運営・維持管理だけでなく、事業の根幹となる計画の部分ですら、丸投げになってはいないだろうか。

悩んだときはコンサルティング会社に相談する方法もあるが、ここにも丸投げの罠が待ち受けている。調査業務という名の下に成果物をもらう。だが、それだけに頼って、市のビジョンまでも外部に任せてしまっていないだろうか。コンサルはあくまで判断材料を整理する役割を担うものだ。行政が発注者として「何がしたいのか」を自分たちできちんと考え、それを伝えたうえで調査設計をしてもらい、最終的に意思決定をするのは行政の役割だ。民間企業で言えばトップの経営判断といえるだろう。

民間事業者に裁量を与えつつ、丸投げしないさじ加減。行政担当者の手腕が問われている。

■関連かるた
・うちにも同じの作ってよ
 …「あとはよろしく」と丸投げに?
・魔法のことば「賑わい創出」
 …大雑把なコンセプトは丸投げにつながりがち。
・欲しい公共みんなで作る
 …この考え方でプロジェクトを進めれば、丸投げは起きないはず。