4月21日に富山県氷見市にオープンした体験施設「ひみ漁業交流館魚々座(ととざ)」。地域交流・観光交流の拠点として位置付けられているが、単純な「交流人口の増加」を目指しているわけではないという。氷見市の本川市長に話を聞いた。(前編はこちら)

(写真:江田 健一)
(写真:江田 健一)

――道の駅をリノベーションして4月21日にオープンした体験施設「ひみ漁業交流館魚々座(ととざ)」は、著名な建築家の手塚貴晴氏による設計ということでも注目されていますが、市民の意見を取り入れた施設であるということも注目すべきポイントの一つですね。

 「魚々座」では、定置網や漁具など、氷見の漁村文化を紹介する施設となっています。入口を入ると、定置網に魚が捕まえられるようにお客様を迎え入れます。また、市民のみなさんから約3000点ほど漁具民具を寄贈していただき、それを展示しています。観光客に氷見の魅力を伝えることはもちろん、氷見の人たちの交流も促す場にもできればと考えています。

 魚々座をつくるときには、例えばこんなワークショップを行いました。ここでどんなふうに過ごしたいか「未来絵日記」を描いてもらったのです。すると「魚を食べて、ビールを飲んで、寝てました」という絵日記を描いてきた人がいました。ふざけていると思うかもしれませんが、よく考えてみると確かに、「そこで食事をして酒を飲んで……」という過ごし方は、かつて氷見の漁師さんが港の近くの番屋小屋(作業や休憩、食事や宿泊などをするための小屋)でやっていたことなのです。

 こうした意見を取り入れて、昼寝ができるような畳コーナーをつくることを決めました。市民は施設の使い方の専門家でもあります。こうした市民の意見を聞く大切さをを感じました。

「ひみ漁業交流館魚々座(ととざ)」の概要
▼所在地:富山県氷見市中央町7-1 ▼建築面積:2004.59m2 ▼延べ面積:1847.65m2 ▼構造・階数:鉄骨造・1階 ▼設計:総合監修:手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所、アートディレクション:手塚貴晴+手塚由比/手塚建築研究所、改修工事計画・内装設計:鈴木宏亮/す ず き、展示物収集・展示計画:東京都市大学手塚研究室 ▼施工:建築本体工事/氷見土建、電気設備工事⇒プロ・ム、機械設備工事/アキラ工設 ▼総事業費:4億5107万1000円(建物取得費用など含む) ▼2015年度予算:特別会計で約9800万円を計上(氷見市 平成27年度当初予算の概要

魚々座の外観(写真:鈴木宏亮/す ず き)
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魚々座の外観(写真:鈴木宏亮/す ず き)
館内。天井から吊った全長70mの越中式定置網と集魚灯による迫力ある展示空間が出来上がった(写真:鈴木宏亮/す ず き)
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館内。天井から吊った全長70mの越中式定置網と集魚灯による迫力ある展示空間が出来上がった(写真:鈴木宏亮/す ず き)
寄贈された漁具民具など(写真:鈴木宏亮/す ず き)
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寄贈された漁具民具など(写真:鈴木宏亮/す ず き)
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寄贈された漁具民具など(写真:鈴木宏亮/す ず き)
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寄贈された漁具民具など(写真:鈴木宏亮/す ず き)