LCC就航やインバウンドで沸く新千歳空港の国内外の利用客を、市街地に呼び込む――。今年8月にリニューアルした「道の駅サーモンパーク千歳」には、どのような役割を期待するのか。千歳市長の山口幸太郎氏に聞いた。

(写真:吉田サトル)
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――道の駅リニューアルの狙いはどこにありますか。

 千歳市は、新千歳空港と共に発展してきた都市です。新千歳空港は近年、LCCの就航や外国人観光客の急増などによって活況を呈しており、2014年度の乗降客数は1900万人を超え、過去最高を記録しました。

年々増える新千歳空港の旅客数。海外からの旅客増も目立つ(千歳市のウェブサイトより)
年々増える新千歳空港の旅客数。海外からの旅客増も目立つ(千歳市のウェブサイトより)
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「道の駅サーモンパーク千歳」の外観(写真:編集部)
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 こうして訪れた人たちに、まちに立ち寄って楽しんでいただきたい。そのための拠点として着目したのが道の駅です。

 サーモンパーク千歳は、わざわざそこに訪れてもらえるような「目的型」の道の駅を目指しました。千歳川の水辺空間を広くゆったりと取り、ちょっと休憩するだけでなく、長い時間滞留してもらえる場所になるよう心がけました。

 また、隣接する水族館を併せてリニューアルし、名称を「サケのふるさと 千歳水族館」と改めました。従来の「サケのふるさと館」という名前だと、水族館ではなく博物館のような展示施設を連想する人もいたようです。そこで、一目で「水族館」だと分かるようにしたのです。展示内容も、支笏湖をテーマとした大水槽など魅力あるものに一新しました。

 新千歳空港、「道の駅サーモンパーク千歳」をはじめとした市内の観光、そして水質日本一を誇る支笏湖という、トライアングルの観光ルートができないかと考えています。市内には観光にも適した農村地帯もあるので、新しい観光動線をつくっていきたいという思いもあります。

――サーモンパーク千歳が面している国道は交通量が多いとはいえません。このため、別の場所に新たに整備した方がよいという意見もあったそうですね。

 議会でもそうした議論はありましたが、あえて同じ場所でリニューアルすることを選択しました。今の場所は“千歳市の顔”である清流・千歳川に面しています。ここで、川のせせらぎの感じられる憩いの空間をつくる方が、目的型の道の駅に適していると考えたからです。

 また、サーモンパーク千歳ではリニューアル前から毎年、先住民族であるアイヌ民族がサケの豊漁を祈る伝統儀式「カムイチェプノミ」を開催してきました。千歳川に遡上するサケはアイヌ民族にとって神聖なものであり、市民や千歳市を訪れる国内外の人たちに向けたアイヌ文化の情報発信の場としても重要と考えています。