仙台市が利活用する集団移転跡地の5地区のうち最も広い荒浜地区約39ヘクタールの土地利用基本骨格図(資料:仙台市)
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 仙台市は、津波後の集団移転に伴って買い取った沿岸地域の宅地を対象とした「集団移転跡地利活用の考え方」をまとめ、2月3日に発表した。これをもとに、2016年度内に土地利用についてのアイデア募集や企画提案公募をする予定だ。

 同市は、津波災害を受けた東部沿岸地域の約1200ヘクタールを、住宅の建築や宿泊ができない災害危険区域に指定。住民には安全な内陸へ転居してもらい、跡地を買い取る防災集団移転促進事業を実施してきた。この跡地を市民や民間事業者などに賃貸し、自由な発想力で主体的に使ってもらう。

 利活用の対象地は、市中心部から東に約10kmの沿岸地域で、海岸線に沿って南北約11kmの範囲に位置する。面積は合計約60ヘクタールで、5地区に分かれている。市民や起業家、NPO、企業など多様な事業主体の参加を促すとともに、挑戦的な取り組みを支援するため、市は「できるだけ低廉な借地料を設定する」と表明。公園や農地のほか、アートや文化、起業や新技術の実験フィールドといった仙台の新しい魅力を生み出す場づくりに期待している。

 対象地区は、現在は市街化調整区域だが、市は「提案内容に応じて柔軟な対応を検討していく」と、土地利用上の規制を緩和する可能性を示唆している。インフラ面では、電気と上下水道は整備するが、都市ガスは供給しない。地区の周辺整備としては、海岸防潮堤、かさ上げ道路、「避難の丘」などの設置によって津波に対する多重防御を行うほか、親水護岸、野球場やテニスコートなどの運動場、カヌー係留所、サイクリングロードなども新設する予定。

 仙台市は以下のスケジュールで2017年度以降に土地利用を開始する計画だ。

●2016年度
(1)土地利用に関するアイデア募集
(2)「跡地利活用方針」の決定
(3)土地利用に関する企画提案公募(関心表明)の実施

●2017年度以降
(1)企画提案者(関心表明者)との条件協議、各種条件の決定
(2)事業者の決定、必要な基盤整備の実施
(3)土地利用の開始