当初5年間は相当ストレッチした目標

 空港会社の旅客数、貨物量の目標は、5年後に410万人、1万トン。30年後に550万人、2万5000トンだ。宮城県が以前から掲げている「600万人、5万トン」の目標には届いていない。

 宮城県の野心的な目標に比べると、やや抑えた数になっています。コンペなので正直どうしようかなと、(宮城県の目標値に)合わせちゃおうかなと思ったときもありました。しかし私たちは、きちんと需要予測したうえで、厳しいけれども汗をかけば実現できるだろうという数字を提案した。600万人、5万トンを諦めているわけではありません。

 コンセッションの事業は有期限なので、設備投資の償却を考えると、事業の開始当初にどかんと投資しなければなりません。事業期間の最初に投資した以上は、頭からアグレッシブに営業して旅客数を増やしたい。当初5年間は相当にストレッチした目標ですが、頑張ります。

プライマリー・グローバル・ゲートウェイに

 空港会社が掲げたコンセプトは「プライマリー・グローバル・ゲートウェイ」。東北在住で飛行機に乗る人や東北に来る人に一番に選ばれる空港になる、東北で最も重要な航空貨物の拠点となり、荷主にも一番に選ばれるという願いを込めた。これを実現するための施策の柱は3点。1点目は路線を増やし航空需要を増やす、2点目は空港活性化と設備投資、3点目は高いサステナビリティーの実現だ。「路線を増やし航空需要を増やす」施策について、岩井氏は次のように語っている。

仙台空港の外観。どこにでもある地方空港だ
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 今、東北6県で海外に出ていく旅客の3分の2が成田空港と羽田空港からです。海外から東北に入ってくる旅客も、6割が成田空港か羽田空港を使っています。東北は人口が900万人もいて、ハンガリーと同じくらい多い。成田空港は滑走路をもう1本増やさなければならないほど過密な状態です。一方、仙台空港は3000mの滑走路を持ち、まだまだ容量に余裕がある。

 英ロンドンのガトウィック空港は滑走路が1本だけですが、年間3000万人を運んでいる。仙台空港の旅客数は2014年度の実績で324万人。単純に比較できませんが、仙台空港は容量の10%しか使っていないということです。

 国際線は、アジア4時間圏の直行便を拡充したいと思います。特に東アジアのハブ空港に飛ぶ路線を誘致したい。国内線は、フルサービスキャリアの路線の維持と機材の大型化です。LCC(格安航空会社)の新規路線も拡充したい。

 「LCC専用空港にするのですか」という質問をよく受けるのですが、決してそのようなことはありません。フルサービスキャリアも大事なお客様です。ビジネスのお客、それに団体のお客、貨物については、フルサービスキャリアが重要です。機材の大型化や貨物に効き目のあることについて、短期的にはフルサービスキャリアの力を借りるしかありません。