社会実験を経て実現

 京都市は、2001年の京都市基本計画で「歩くまち・京都」の理念を掲げた。06年には専門家や地元の商店街、交通事業者などで構成する「歩いて楽しいまちなか戦略推進協議会」(現在は同「推進会議」、会長:塚口博司・立命館大学教授)を設置して検討を重ねてきた。07年10月には四条通と「歴史的都心地区」などで、歩道拡幅とトランジットモール化(バスとタクシー以外の通行を規制)の社会実験も実施。これらの成果を改修に生かした。

07年10月の「歩いて楽しいまちなか戦略」社会実験では、改修対象区間内で歩道の拡幅やウッドデッキ化を試行(写真:京都市)
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 改修の対象区間一帯は商業地、観光地、住宅地が近接し、改修工事中だった15年春の観光シーズンには激しい交通渋滞が発生。バス乗降時間の短縮や、車両の迂回誘導などの対策を講じた。この1月時点では、市営バスの運行所要時間は工事前と同レベルに落ち着いている。「四条通の6カ所で計測した15年12月時点の歩行者数は、前年同時期から1割ほど増加した」(四条繁栄会商店街振興組合の堀部素弘理事長)。

 市は主要南北軸の一つ、「東大路通」でも同種の改修を検討していたが、四条通で改修工事時に生じた渋滞を背景に、周辺道路の混雑を懸念する声が上がった。市は交通解析による予測を踏まえて、東大路通は歩道の傾斜修復などにとどめ、歩車道配分の見直しなどは行わないことにした。

この記事は「日経コンストラクション・ウェブサイト」2016年2月18日付の記事の一部を転載したものです。全文は日経コンストラクション・ウェブサイト(要登録)でご覧いただけます。