市はリスク対応策の検討へ

 今回も契約上は東京緑建を除くJVとして継続することは可能だった。事業者にとっても、「残った企業が再委託を行って対応できればもう少し楽だった」(前田道路第一営業部の西村米雄PFI・PPP推進課長)。

 それでも、市が代わりの会社を求めたのは、東京緑建が抜けると市内に本社を置く会社の参加という入札参加条件を欠くためだ。

 市は、この仕組みの将来の担い手として、市内の事業者に期待を掛けている。試験的な取り組みに市内事業者が参加しなければ、育成や評価は難しい。

 今回の契約で交代した企業はJVのスポンサーではなかった。加えて、東京緑建は事業が続けられない旨を事前に申し出た。業務の切れ目が顕在化しなかったのは、そのためだ。

 しかし、これがJVのスポンサー企業であったり、前触れなく破たんしたりするとなれば、日常的な維持管理が行き届かなくなり、住民サービスに支障を来しかねない。

 市ではこうしたリスクへの対応策を、次回の包括民間委託業務の発注までに検討する。少なくとも現段階では、市が直営で舗装の簡易な補修などに対応できる最低限の体制を維持する必要があると考えている。


記事は日経コンストラクション2015年8月24日号特集「インフラマネジメント、壁の向こう側」の一部を再構成


 日経BP社は11月24日、書籍「インフラマネジメント最前線」を発行した。同書では、国内外で進むインフラ維持管理の先進事例を、詳細な図やデータなどとともに紹介している。

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