いちはやく自治体の行財政改革に乗り出し、2011年には「日本ファシリティマネジメント大賞」最優秀賞を受賞するなど、高く評価されている浜松市。人口減社会においても持続可能な都市経営を確実なものとするために取り組む浜松市長の鈴木康友氏が5月27日の新・公民連携シンポジウム「地方創生・自治体会議」で講演を行った。

鈴木康友・浜松市長(写真:宮田 昌彦)
鈴木康友・浜松市長(写真:宮田 昌彦)
[画像のクリックで拡大表示]

 2014年5月に日本創生会議(座長・増田寛也元総務相)による消滅可能性都市に関する言及があった。これをきっかけに「消滅可能性」を名指しされた自治体はもとより、全国の自治体が人口減を直視した都市経営に、いやがおうにも目を向けなければならなくなった。

 浜松市は、2005年に12市町村が合併し、2007年に政令指定都市になった。人口は約80万人で、人口規模は佐賀県と同等。市域は南北に約73km、東西に約52kmと広域に及び、その広さは伊豆半島を上回る。

 鈴木氏は「浜松市は、都市部から中山間地域、産業も農林業から都心型までを有する国土縮図型の政令指定都市であり、大都市圏の政令市とは特性が異なる。人口集中地区(DID)面積が5.6%と極めて小さい。市域の半分は過疎地域で、高齢化率が50%を超える限界集落が128ある。合併していなければ消滅可能性ありと言われた町村を包含していた」と、浜松市の都市構造を説明する。

 市が広域であることは、インフラの負担が過大になることにつながる。浜松市の道路総延長は8000kmを超えており、橋梁は6000近く。人口が約70万人とわずかに少ない静岡市と比べて、道路延長、橋梁ともに倍以上である。公共施設についても同様に多く、将来に向けて施設の維持管理コストが重くのしかかってくることが予想される。

 こうした課題に向き合うため、そもそも経営状態が健全でなかった市の行財政改革に、いちはやく取り組んだ。市長に就任した鈴木氏は、2005年度から行財政改革推進審議会を立ち上げ、職員定数や人件費の削減、資産経営の推進、補助金の削減、外郭団体の見直しなどを行い、2014年1月、第4次行革審で一つの区切りとした。中期財政計画では、2014年度末において総市債残高を600億円以上削減し、残高5000億円を切り、目標を上回る成果を上げることができたという。

 「市長になってつくづく感じるのは、経営が大切だということ。数字に実績が表れる」と鈴木氏は語る。

浜松市の市債残高の推移(資料:浜松市)
浜松市の市債残高の推移(資料:浜松市)
[画像のクリックで拡大表示]