体験農園から経営ビジネススクールまで

 マイファームの就農支援事業は「アグリイノベーション大学校」だけではない。様々な人たちが、段階に応じて農作業の技術や知識を学べるように複数のステップを用意している(下の図参照)。

マイファームの就農支援などに関する事業
(資料:取材を基に編集部で作成)
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 まず最初の入口は、関西を中心に全国で100カ所ほど展開している「体験農園マイファーム」だ。自治体などから“場所の提供”を受けるだけの市民農園に対して、「体験農園マイファーム」は、農機具の貸し出しや栽培アドバイスを受けることができ、より気軽に農作業に親しむことができる。「自産自消(自分でつくって自分でたべる人)」を増やし、農業に親しみを感じる人を増やしたいという西辻社長の思いからスタートした事業だ。

体験農園マイファーム(写真:マイファーム)
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 体験農園で農作業の楽しさ、野菜のおいしさを実体験して、本格的に農業を目指したいと思った人には、週末開講の「アグリイノベーション大学校」がある。さらに、農業の道に進んだ後、経営力をつけたい人のための新しいステップと位置付けられるのが、農業経営のビジネススクール「大阪アグリアカデミア」だ。2016年9月に大阪府とJAグループ大阪が共同で設立し、マイファームが運営を受託している。既存の農家や農業を始めて間もない人を対象に、さらに“次のステージ”に進んでもらうための人材育成機関だ(下の囲み参照)。

大阪アグリアカデミアの概要
大阪アグリアカデミアのウェブサイト
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「農業経営」に特化したビジネススクール。すでに農業に従事している「プロ」を対象としており、リーダー養成コースとスタートアップコースがある。2016年9月に開校した。

■運営主体

大阪府、JAグループ大阪

■受託事業者

マイファーム

■開校場所

JA大阪センタービル(大阪・淀屋橋)

■カリキュラム内容の例

<リーダー養成コース>
・農業概論(日本および海外、大阪府の農業情勢など全般)
・経営マインドの習得
・精神的農業経営者の経営理念
・リーダーシップ論
・発想・想像力の向上

<スタートアップコース>
・栽培・経営戦略
・経営診断・分析
・農業経営に必要な最先端技術の習得
・簿記・財務管理
・販売実習

 「大阪アグリアカデミア」は、農業の成長産業化を狙う大阪府とJAグループ大阪(大阪府内のJAや関連組織の総称)が協力して進める「農の成長産業化推進事業」の一つとしてスタートした。すでに農業に従事している「プロ」を対象に、リーダー養成コースとスタートアップコースを設けている。運営を受託するマイファームのほか、連携企業としてヤンマーアグリイノベーション、ソフトバンクグループで農業センサーを事業化しているPSソリューションズが参加した。

 大阪府としては、大消費地が近い都市農業のメリットを生かし、農業の規模拡大のために経営感覚に優れた農家の育成を図ることで、大阪農業を活性化する狙いがある。様々な民間企業と連携することで、農家のチャレンジ意欲の喚起、経営マインドの強化とそのための農業経営手法の習得などを支援していく考えだ。

大阪アグリアカデミアを含む「農の成長産業化推進事業」
(資料:大阪府)
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