達成感を得て満足という参加者の反応

 ミカン収穫体験においては、まず2016年秋に静岡県が御殿場市、袋井市、磐田市で開催した「社会参加促進フェア」の会場でチラシを配布し参加者を募った。ミカン収穫は、JAみっかびが協力した。三ヶ日町のミカン畑は、平坦な三ヶ日台地にあるため60歳代でも腰、膝への負担が少ないシニア向けともいえる場所。20人の参加予定だったが、応募者の健康面など考慮して、60~70代の16人に絞り、2016年11月10日に実施した。

ミカン収穫体験委は16人が参加した(写真:静岡県)
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 当日は、県が用意したバスでJR袋井駅から磐田駅を経由して三ヶ日のミカン畑へ出向き、ここでJA職員のオリエンテーションを受け、収穫作業に入った。昼食も畑の中で取り、食後のデザートに出たミカンに加えて、帰りには収穫したミカン3kgがお土産として参加者に渡された。御殿場市は距離の関係から今回は対象から外した。

 収穫体験を企画し当日も同行した静岡県福祉長寿局長寿政策課の間瀬由里子主査は「健康寿命を伸ばし、社会での活躍を目的に実施しています。収穫体験は、そのメニューの一つ。当日は寒かったので心配したのですが、皆さん元気に作業を楽しんでいました。『農家の役に立てて嬉しい』などと感想を語っていました」と話す。

静岡県福祉長寿局長寿政策課の間瀬由里子主査(写真:海部隆太郎)
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 参加者からは「目の前にあるミカンの収穫目標を立て、それを実行して、作業を終えることで、達成感や満足感が得られた」との声も聞かれた。今回、実験的に行った収穫体験は、成果があったといえそうだ。「健康寿命を伸ばす施策として、適度な農作業が適していると思う」と間瀬主査は強調する。来年度も収穫体験は継続する方針だという。