沖縄の植物を生かした健康食品産業へ

――現在は、ご自身の大学時代の専攻である栄養学も生かし、また創薬業での実績、知見・経験も活用しながら、沖縄の植物を生かした健康食品事業に注力していますね。

 ベトナムや中国の奥地で薬効のありそうな薬草を見て回りましたが、沖縄では医食同源の生活が根付いていることに立ち戻り、沖縄の植物や海洋資源に注目するようになりました。ウコンに含まれるクルクミンという成分の研究を続けています。クルクミンの課題は体内への吸収率が低いことでしたが、深海鮫の肝油に含まれるスクワレンと配合することで効率良く吸収させる方法を開発して特許を取得しました。そして2008年、「レキオのウコン」を発売して健康食品産業へ進出しました。さらに、順天堂大学客員教授の田平武先生により、弊社のウコン由来のクルクミンを含むサプリメント「メモリン」を使った臨床試験が2014年から16年まで行われました。その結果、軽度認知障害の症状を改善、維持させる効果があることがわかり、昨年、日本早期認知症学会で発表されました。現在、中国でも発売する準備を進めています。

(写真:河野哲舟)
(写真:河野哲舟)
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――軽度認知障害の改善ですか。奥社長は社会課題の解決に寄与する商品を開発したということですね。

 認知症の研究会で10年学ばせていただき強く感じたのは、老化が一番のリスクファクターだということです。これから日本は100を生きる時代になります。高齢化社会で大変だ、大変だと騒ぐだけでは問題解決になりません。長寿は古今東西人類が追い求め、日本が最初に達成した誇るべきことです。必要なことは長寿の時代になったことを認識し、これまでの働く期間、働き方、学び方のシステムを大きく変えることだと考えます。例えば、今は65歳でリタイアするのが一般的ですが、リカレント教育を制度化して何度でも学ぶ機会を得て、再就職、再々就職し、社会参画できるよう改革していかなければなりません。そのためには50代から60代で新しい学びをし、新しい仕事に就けるシステムを作ること。仕事をするのは毎日でなくても、高額ではなくていいからお給料をもらい、社会還元をしていけるシステム作りを働き方改革の柱としていただきたい。知的好奇心を持ちながら、働きながら収入にゆとりを持ち、笑顔で話しながら、支える側になって生きること。それが認知症の発生を抑えることにもつながるのです。92歳のマハティール氏がマレーシア首相に就任されました。新しい時代のお手本にしたいものです。

ウコン由来のクルクミンを含むサプリメント「メモリン」が軽度認知障害の症状を改善、維持させる効果があることがわかり、昨年、日本早期認知症学会で発表した。(写真:河野哲舟)
ウコン由来のクルクミンを含むサプリメント「メモリン」が軽度認知障害の症状を改善、維持させる効果があることがわかり、昨年、日本早期認知症学会で発表した。(写真:河野哲舟)
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<div style="clear:both;"> </div>新薬や健康補助食品の研究開発・製品化を通じて沖縄経済の発達に寄与したと評価され、昨年琉球新報賞を受賞した。表彰式や祝賀会にて(写真提供:レキオファーマ)
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<div style="clear:both;"> </div>新薬や健康補助食品の研究開発・製品化を通じて沖縄経済の発達に寄与したと評価され、昨年琉球新報賞を受賞した。表彰式や祝賀会にて(写真提供:レキオファーマ)
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新薬や健康補助食品の研究開発・製品化を通じて沖縄経済の発達に寄与したと評価され、昨年琉球新報賞を受賞した。表彰式や祝賀会にて(写真提供:レキオファーマ)