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人口は減っても元気なまちづくり

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第7回 京都府与謝野町――「よさのみらい大学」開校でひとづくり

地元の人間が頑張れば学生も講師も集まる

石井和也=日経BP総研 マーケティング戦略研究所【2018.1.24】

名勝・天の橋立に程近く、丹後ちりめんの産地として知られる京都府与謝野町。与謝野町ひと・しごと・まち創生総合戦略で掲げた「織りなすひとをつくる~与謝野を愛し、多様性を認め合い、新しいモノやコトを創出する人財育成~」を実践すべく、2017年夏、「よさのみらい大学」を開講した。政府の進める人づくり革命を先取りする同町の試みが今、注目されている(関連記事:山添藤真・与謝野町長インタビュー)

昨年開催された与謝野ブランド戦略ビジネス学部「イベントづくりのプロに訊く、人が集まり継続できるイベントづくりのヒント」の講座。空き倉庫を活用し、講師の中原大輔氏(ノオト)の話に聞き入る受講生たち。(写真:日経BP総研)
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 2017年12月末現在、与謝野町の人口は2万2254人。2006年、与謝野郡の3町(加悦町、岩滝町、野田川町)が合併して与謝野町になって以来、毎年、200~300人のペースで人口が減っている。しかし、子育てしやすい環境を整え、1人の人が生涯何人子供を産むかを推計した合計特殊出生率は、全国平均を上回っている。山添藤真町長は、「この町は暮らしやすい。町の規模(町の面積は108平方km)からすれば、ちょうどよい人口規模で、住民の顔が見え、住民の声を聞くことができる。今後は、いかに若年層の転出を減らし、人口減少を抑えて行くか、その施策が求められている」と話す。

 「この町で人々がイキイキと働き、共に学び育ち、ワクワクするような活動が行われ、キラリと光る人の存在がある。そんな町であれば外からも人がやってくるのでは」(与謝野町ひと・しごと・まち創生総合戦略より)というのが、同町の考え方。その実現のために立ち上げたのが、よさのみらい大学(以下、みらい大学)だ。

 与謝野町をキャンパスに「新しいモノやコトの発見」「出会いと交流」を通じて、「自分・地域・まち」の未来を描き、主体的に行動する人材の育成を目的した学び舎というコンセプトを掲げる。学校教育法に規定された大学ではなく、校舎というハードや学位という資格を持たない、いわゆるソーシャル系大学だ。

 教室は、町内の空き家や遊休地などを主に活用。授業は、講座形式でみらい大学のサイトで各講座の受講者を募集、希望者はメールで受講を申し込む。学費は原則無料で、飲食や視察の交通費などは実費が必要となる。

 学部は、リベラルアーツ(教養)コース、地域づくり学部、与謝野ブランド戦略ビジネス学部の3つ。各学部で年間数回の講座を行う。それぞれ、社会教育課、企画財政課と観光交流課、商工振興課が関わっている。町では開校に先立って、数年前から各課の主導で、いくつかのトライアル講座やプロジェクトを実施してきた。

 みらい大学ではそれらを統合。さらに運営業者を公募し、地元で空間プロデュースを手がける一般社団法人プレイスを選定、民間との協業による運営に切り替えた。

各学部のコンセプトと講座の開催例

<リベラルアーツコース>
様々なジャンルの講師を招き、教養を深める講座

  • 空間におけるアートの可能性:美術家井上信太から空間アートを学ぶ
    講師:井上信太(美術家)
  • 建築と地域デザイン:建築とは環境を創ること。建築を通して感じた地域の可能性
    講師:前田圭介(建築家)
  • 美と健康を育む里山あるき:自分たちのまちで美しく健康な体を手に入れる方法
    講師:芦田信之氏(医学博士)
  • パフォーミングアート ー舞台芸術とはー
    講師:田口幹也(城崎国際アートセンター館長)
  • 丹後を語れるようになろう ー郷土についてー
    講師:吉野健一(京都府立丹後郷土資料館学芸員)
  • 人生を輝かせるために必要な身体づくり~1000人を指導してきたパーソナルトレーナーに学ぶ
    講師:中村成希(モデルボディメイクトレーナー) 
  • 酢を造るといふ仕事:酢をつくってるんじゃない、未来をつくってるんだ ー五代目の挑戦ー
    講師:飯尾彰浩(飯尾醸造五代目当主)*2月20日開催予定 
  • みらいを生き抜く脳の活かし方
    講師:茂木健一郎(脳科学者)*3月9日開催予定 

<地域づくり学部>
地域の課題解決につながる先進事業事例の地域視察を含む実践的な講座

  • Food Hub Project「地産地食」食の循環が日常の質も上げる取り組みを学ぶ(全3回)
    講師:真鍋太一(フードハブ・プロジェクト支配人)
  • 空き家活用 まちづくり コース 空き家リノベーション 魅せる改修(全3回)
    講師:白須寛規(design SU代表)*第3回は3月4日開催予定

<与謝野ブランド戦略ビジネス学部>
新規事業の立ち上げやビジネスに関する実践的な学びを提供し、商いを営む原動力を培う講座

  • Airbnb民泊のはじめ方:空いている空間をお金に変える方法
    講師:中村博充(パソナ シェアリングソリューション プロデューサー)
  • 地域イベントの仕掛け方:イベントづくりのプロに訊く、人が集まり継続できるイベントづくりのヒント
    講師:中原大輔(ノオト) 
  • 「ナリワイをつくる」人生を盗まれない働き方:単なる働き方についてではない、人生と仕事の新たな関係性を探る
    講師:伊藤洋志(ナリワイ代表) 
  • 地域の魅力をお金に変える ー体験商品を作って売るー
    講師:松坂颯士(ガイアックスTABICA事業部) 
  • 地域の魅力をうまく発信する方法 「これからの地域とのつながりかた」をコンセプトに、地域で活躍している人のストーリーや、進行中のプロジェクトなどを世の中に紹介し続ける情報誌TURNSに学ぶ
    講師:堀口正裕(TURNSプロデューサー)*2月16日開催予定 
  • 好きを仕事にする生き方 「work is life」 仕事=人生 生業(なりわい)を求めこの地へ移住した2人の「work is life」 について
    講師:大場亮太・稲鍵佐代子(SORA農園・キコリ谷テラス)、太田光軌(農家パン弥栄窯)*2月26日開催予定 
与謝野町の町並み。阿蘇海に面し、奥に天橋立を望む立地だ(写真:日経BP総研)
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企画・運営
  • 日経BP総研
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