「子育て応援宣言」を町外に向けて大々的にアナウンス

 独自の支援策以外にも、他の自治体でも実施しているような、子育て支援策も手厚い。チャイルドシートやベビーベッドの貸し出し(月100円)、乳幼児を持つ子育て中の親子が集える常設広場の開設(子育て支援施設「なぎチャイルドホーム」)、保育園や幼稚園の充実、保育料多子軽減、中学3年生までの子どもを養育しているひとり親への交付金など、子どもを望む世帯から子どもが高校生の世帯までを対象にした、様々な支援が受けられるようになっている。

 また町では、子どもが減少する要因として居住環境も大きいと考え、対策を講じた。

 「奈義町には民間住宅が少なく、公営住宅は老朽化していた。そのため夫婦二人で生活を始めたい若い世代は、隣の津山市などに出ていってしまっていた」(笠木町長)。例えば企業誘致により町に仕事は生み出すことはできるが、住むところが十分でなければ通勤可能な他都市に出ていってしまう。

 そこで「新築住宅普及促進事業補助金」や、近隣価格より3割ほど家賃の低い若者向け住宅や定住促進住宅の整備などの移住支援策も強化していった。

 さらに「子育て応援宣言」を町民に対してだけでなく、大々的にアナウンスすることで、移住の促進にもつなげてきている。

 結果、町の一般会計予算(当初予算は約40億円)に占める子育て支援予算は2015年度が約2%の約8700万円、2016年度は約3%の約1億2540万円まで上昇。となると、人口比率的の高い高齢者から意見が出そうなところだが、高齢者向けの支援は子育て関係の予算よりも費用が多かったこと、さらに子育て支援予算は2002年の住民投票で単独町制を選択した際に行財政改革を行ったことで捻出した約1億4000万円の財源を原資に行っており、高齢者への支援を削減しているのではないことを説明し、理解してもらえるようになったという。

子育て支援施設であるなぎチャイルドホーム(写真:山田真弓)
子育て支援施設であるなぎチャイルドホーム(写真:山田真弓)
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なぎチャイルドホームの設備はさながら保育園や幼稚園のようで、都心の子育て支援室に比べると驚くほど広い。年齢ごとに過ごす部屋やスペースを分けており、時には成人向けのパソコン教室が開かれたりもしている(写真:山田真弓)
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なぎチャイルドホームの設備はさながら保育園や幼稚園のようで、都心の子育て支援室に比べると驚くほど広い。年齢ごとに過ごす部屋やスペースを分けており、時には成人向けのパソコン教室が開かれたりもしている(写真:山田真弓)
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なぎチャイルドホームの設備はさながら保育園や幼稚園のようで、都心の子育て支援室に比べると驚くほど広い。年齢ごとに過ごす部屋やスペースを分けており、時には成人向けのパソコン教室が開かれたりもしている(写真:山田真弓)
奈義町定住促進住宅・センタービレッジ奈義(写真:山田真弓)
奈義町定住促進住宅・センタービレッジ奈義(写真:山田真弓)
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