オリーブやそうめんなどで知られる瀬戸内海に浮かぶ離島、小豆島(香川県)。近年は3年に1度開催される瀬戸内国際芸術祭のメーン会場の1つとして多くの来場者を集め、イメージも向上してきている。人口減に苦しむのはほかの離島と変わりはないが、小豆島は移住が多い島としても注目を集めている。島を構成する小豆島町、土庄町の2町にはそれぞれ、2017年度、18年度と続けて100世帯前後が移住をしてきている。今回は、「道の駅 小豆島オリーブ公園」を中心にオリーブ産業の体験観光化にも積極的に取り組む小豆島町にスポットを当て、移住者対策をリポートする。
瀬戸芸のアートの島に若者たちがやって来る
県内でも人口減少率の高かった小豆島2町の小豆島町と土庄町を移住促進のモデルにしようという県の施策もあり、小豆島は2006年から移住促進に力を入れ始めた。空き家バンクや就労支援、子育て支援などを町が推進していった。それに加え、2010年から始まった瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)の会場の1つになったことや、オリーブの島というプラスイメージも全国的に浸透していったことも、移住促進の後押しとなっている。
こうしたこともあり、小豆島町は移住先として選ばれるようになってきた。小豆島町の人口は1万6000人ほど。高齢者が多いことなどから人口は減っているが、2014年以降100世帯前後の移住者がやって来ている。
ただし、瀬戸芸によるイメージアップや観光客の増加だけでは、転入者の生活を維持することはできない。小豆島の強みは、島外にも名の知れた醤油、そうめん、佃煮、そしてオリーブの4大産業を持つところにある。以下では、具体的に小豆島町における移住対策、そして芸術祭とオリーブ産業それぞれの現状を見ていこう。