2017年には小水力発電所も電源に

 これまでは公共施設を対象にしてきたため、「課題は営業力が欠けていること」(山本氏)だ。そもそも、4月から始まった電力小売りの自由化を理解している町民は多くなく、中之条パワーから電力を買えることを知っている町民は少ない。一方で、「テレビ番組に取り上げられて知名度が上がり、『小売りが始まったら最初の顧客になる』と言っている町民もいる」(同)と、9月の売電開始に向け少しずつ手ごたえを感じ始めているという。

 中之条パワーが新たな電源として期待しているのは、同町が「花の駅 美野原」東側の丘陵で建設を進め、2017年の稼働を予定している「中之条町美野原小水力発電所」だ。四万川から取水する美野原用水の途中に取水口と水槽を設け、導水管を経て水車発電機1台で発電し、再び美野原用水に放水する流れ込み式発電所である。約65mの落差を活用し、最大出力は135kWになる。昨年、長さ350mの導水管の工事が終了し、今年5月には発電所の建設工事業者が公募で決定した。

中之条町のエネルギー地産地消の仕組み
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中之条町のエネルギー地産地消の仕組み
(出所:中之条電力)

 一方、小水力と並んで開発に取り組んできたバイオマス発電は滞っているのが現状だ。同町は2013年に、未利用木材をチップに加工して発電・熱利用する木質バイオマスの事業化に向けて木質バイオマス事業化検討協議会を発足させた。バイオマス発電の専門家や地域の森林組合、林業・製材関係者などを交えて、出力2MW規模の木質バイオマス発電所の建設を目指した。

 2014年度には、地域の資源量にマッチした出力800kWのコージェネレーション(熱電併給)システムを想定し、熱の利用や配給方法、対象施設などを検討した。ただ、最適な対象施設が見当たらず、導管による熱供給も考えたものの、現在は事業化に向けた動きが止まっているという。

 中之条町は2013年6月に、議会で「再生可能エネルギーのまち中之条」を宣言し、エネルギーの地産地消を進めてきた。そのため、町が主体となってメガソーラーを事業化し、電力小売りにも乗り出した。人口減少が続く中、こうした取り組みで同町にとどまる資金を生かして地域活性化つながる再エネ事業を開発していけるかが問われる。