道の駅、温泉施設といった公民連携の観光施設では、管理・運営の効率化や施設の魅力アップを狙い、指定管理制度を導入しているところが少なくない。しかし、民間などに委託しても、経営面で成功するとは限らない。栃木県高根沢町の温泉施設では営業赤字が続き、施設を運営していた第三セクターが撤退した。それを受けて、民間企業が新たな指定管理者に就き、リニューアルを実施。指定管理者は設計監修から管理・運営までを担い、注目を集めている。その取り組みの工夫を、2回にわたってお届けする。

 私が代表を務める塚原緑地研究所(https://www.tsukahara-li.co.jp/)はランドスケープコンサルタント事業を営んできましたが、今では公園、運動場、キャンプ場、さらには温泉、旅館、観光施設、道の駅、博物館といった多様な公共施設の管理運営に携わっています。それらの中で、2020年4月にリニューアルオープンし、リニューアル当初から管理運営を行っている「道の駅たかねざわ 元気あっぷむら(https://www.genkiupmura.com/)」の取り組みを紹介します。

道の駅たかねざわ 元気あっぷむらの全景(写真:元気あっぷむら)
道の駅たかねざわ 元気あっぷむらの全景(写真:元気あっぷむら)
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 この施設が立地する栃木県高根沢町は、栃木県のほぼ中央に位置し、県都宇都宮に隣接しています。東京からの距離はおよそ100km。施設の面積は18.4haで、「道の駅」として道路利用者などへの休憩場所の提供や地域情報を発信するほか、温泉、地場の農産物、遊びや体験、滞在型宿泊といったサービスを複合的に提供しています。住民と来場者の交流を促進することで、農業の振興、地域のにぎわいの創出、地域経済の活性化、観光振興、食を通じた健康づくりの推進および住民福祉の向上を図ることを目的とした施設です。

 町の地勢は大きく4つに分かれ、東側は八溝山系の丘陵が南北に連なります。中央部は広大な水田地帯で、その中央には町の文化・スポーツの総合施設「町民広場」があります。西側には、JR宝積寺(ほうしゃくじ)駅を中心に商店街や住宅地が広がり、その南にはR&D(研究開発)企業が集積した研究開発型団地「情報の森とちぎ」が立地しています。また、西南端には皇室の食料を生産している「御料牧場」や、本田技術研究所などがあります。

高根沢町の位置(資料:高根沢町)
高根沢町の位置(資料:高根沢町)
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 高根沢町では、西側の市街化区域における拠点整備は目に見える成果を上げていますが、東側の市街化調整区域の拠点整備が進んでいませんでした。この課題を解決し、若い交流人口を東側の農村部にも呼び込み、「繰り返し来たい、滞在したい」と思ってもらえるための拠点整備を進めています。その舞台となっているのが、「道の駅たかねざわ 元気あっぷむら」です。

 「道の駅たかねざわ 元気あっぷむら」の園内は温泉ゾーン、食のゾーン、池のゾーン、森のゾーン、道路休憩ゾーンに分かれており、温浴施設や農産物直売所、レストラン、体験学習施設、親水公園、情報提供施設などを設けています。なお、公園部分は都市公園法上の公園には当たりません。各ゾーンや施設の特徴は、後ほど詳しくご紹介します。

道の駅たかねざわ 元気あっぷむらの園内マップ(資料:元気あっぷむら)
道の駅たかねざわ 元気あっぷむらの園内マップ(資料:元気あっぷむら)
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