「設置管理許可制度」が拡大――2004年の法改正

 その後2004年の都市公園法の改正では、「公園管理者以外の者が設置した方がその公園の機能の増進につながると認められる場合」についても施設の設置が許可されるようになりました。しかし、民間活力を積極的に導入して公園施設を設置しようという機運は、大きく盛り上がることはありませんでした。その背景について、国交省都市局公園緑地・景観課の町田誠課長は次のように解説します。

 「あくまで一般的な傾向としてですが、公用(共)の財産と、民間の経済活動が混在するという概念は、現代の社会通念上、許容されにくい風潮が戦後、醸成されて行ったと考えています。歴史的な経緯から公園の中に許可されていた『私権』は、時代の経過とともに『制限(滅失)』されていったと言えます。民間企業からの提案があったとしても、地方公共団体に求められる『中立・公平・公正』『透明性・説明責任』などの行動規範が、民間事業の参入を容易なものとしなかったという傾向はあると思います」

 とりまとめて言えば、明治初期に生まれた公園は、現在とは質的にはかなり異なっており、民間の施設などと共に存在していましたが、時間の経過と共に現在多く見られるような公園の姿、すなわち、「公的な土地の上では民間の営業的な施設が存在することは好ましくない」という認識の下で管理・運営されている公園の姿に至ったと言えるでしょう。

 しかしながら、様々な課題に直面する地方公共団体では、民間の知恵やノウハウ、資本の活用に積極的に取り組む公園も出てきています。その一例が、大阪市からの設置管理許可を得て、近鉄不動産が整備・運営している天王寺公園「てんしば」(写真2)です。7000m2の芝生広場を中央部に据え、周囲に飲食店、宿泊施設、フットサルコートなどを配し、賑わいを生み出しました。近鉄不動産は、2015年10月1日のリニューアルオープンから約2年半で、総来園者数が1000万人を超えたと発表しています。群集遊観の場所にふさわしい姿ですね。

写真2●設置管理許可により民間事業者が整備した大阪市の天王寺公園「てんしば」
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芝生広場を整備して人気の「てんしば」。リニューアル後2年半で1000万人以上が来園した(写真・資料:国土交通省)