公園面積の約5割が指定管理

 都市公園への民間参入促進に大きな影響を与えたのが、2003年の地方自治法改正により設けられた指定管理者制度です。これにより、地方公共団体ではなく、民間企業やNPO法人などが公園の管理全体を行えるようになりました。従来は、地方公共団体と地方公共団体が出資する法人(いわゆる外郭団体)に限定されていた公共施設の管理が、指定管理者制度によって、一般の法人その他の団体にも開放されたのです。

 指定管理者制度の対象となっている公共施設は様々あります。種類としては、公営住宅、集会所・コミュニティセンター、図書館、公民館、高齢者施設、児童館・学童クラブなどいわゆる箱モノ系の施設が多いのですが、その中で都市公園は、道路や河川など、いわゆる社会資本グループの中で、指定管理の導入数が突出して多い施設となっています。

 その数は年々増加し、数にして全国の都市公園の12%に相当する1万3000カ所。面積ベースでは約50%が指定管理者制度による管理が行われています(2015年度末)。特に近年では、民間事業者が指定管理者となる都市公園が増加していることも特徴です(図1)。

 当初は特に、運営コストの削減が主な導入目的である場合も多かった指定管理者制度ですが、民間事業者などの創意工夫を活かした自主事業やイベントなどを公園で実施することにより、都市公園の賑わい創出はもちろんのこと、行政から得る指定管理料以外の自主的財源確保に取り組む例も増えてきています。

図1●都市公園における指定管理者制度の活用状況
(資料:国土交通省「都市公園の質の向上に向けたPark-PFI活用ガイドライン」)

 なお、PFIは公園施設の公民連携手法としてはあまり採用されていません。都市公園においては、先に述べたとおり、公園管理者である地方公共団体が、地方公共団体以外の者に公園施設の設置および管理(運営、経営)を許可できる制度が、法律の制定時より存在していたこともあり、手続きが複雑なPFI制度をあえて採用する動機は薄かったのかもしれません。

 ただし、水族館、プール、総合競技場など、比較的財政負担の大きい大規模施設の建設および管理運営には、PFIが比較的よく活用されています。競技場のように収益性が低い事業はサービス購入型PFIが、水族館のように収益性が高い事業は独立採算型PFIが採用される傾向にあります。

 このように、日本の都市公園はすでに様々な形で、民間活力を導入し、公民連携を図る仕組みが備わっていたのです。では、今回(2017年)の法改正のポイントはどこにあったのでしょうか。次回はその点を中心に解説していきます。

ランドスケープ経営研究会
Landscape and Business Development Association, Japan
2017年10月に一般社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会が設置した研究会。略称LBA。都市公園法等の改正を受け、Park-PFI等「ランドスケープ経営」に関心のある企業、団体、個人を募り、公園から始まるまちづくりのための公民連携方策の技術・情報交流、研究・提言を通じ、新たな時代の緑とオープンスペースにおけるビジネスモデルを構築することをミッションとする。収益施設のビジネスを得意とする民間事業者と、公園など造園/ランドスケープに関わる業界が集結することによって、多様な主体の協働による新たなまちづくりへの取組みを推進する。公式サイトURLはhttp://www.lba-j.org/。4月24日に都内で設立記念シンポジウムを開催する(会場:内田洋行ユビキタス協創広場CANVAS)。