治安の悪かった公園が市民の憩いの場となるまで

 NY市の公園を語るにあたり、忘れてはいけないのがここに至るまでの経緯です。現在は卓越した国際都市のイメージのNY市も、1980年代は治安の悪さから犯罪都市として知られていました。公園も安全な市民の憩いの場とは言えない状況でした。

 民間が公園での事業収益を上げながら再生したことで注目度の高いブライアント・パーク(関連記事)も、その頃は「注射針の公園」(Needle Park)というあだ名がつけられ、ドラッグ中毒者やホームレスであふれ、日が暮れると近づかないのが一般の認識という公園でした。NY市公園局も当時は財政危機に直面し、日々の維持管理に窮していたほどです。

 そのような状況から、NY市内の公園はどのようにして現在のような憩いの場になっていったのでしょうか。大きな要因の一つとして、公民連携による公園管理があります。

 市と民間との協働を可能にしているのが、NY市公園局のパートナーシップ( Partnership)です。パートナーシップは公民連携のひとつの形態で、協力関係にある団体は規模や活動内容により異なりますが、いかなる団体も公園内での活動にはNY市公園局の規定に従う必要があります。ここでは、その代表的な制度について解説していきます。

NY市公園局による多様なパートナーシップの例(資料:島田智里)
NY市公園局による多様なパートナーシップの例(資料:島田智里)
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