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第4回 農のあるまちづくりと都市農業を推進する生産緑地改革

ランドスケープ経営研究会(LBA)【2018.7.11】

 連載第4回目は、都市内の重要な緑地資源であり、農のあるまちづくりや都市農業の6次産業化に向けた活用が期待される生産緑地に着目し、都市農地制度の主体をなす生産緑地法の改正と関連法の制定について紹介します。

(1)都市の緑地政策体系への「農地」の位置付け

写真1●都市農地のイメージ
[画像のクリックで拡大表示]
都市農地は「宅地化すべきもの」から都市に「あるべきもの」へ(写真提供:JA神奈川中央会)

 2015年4月、都市農業の安定的な継続と、多様な機能(防災、環境、景観等)の適切な発揮を通じた良好な都市環境の形成を目的とする「都市農業振興基本法」が施行されました。翌年の2016年5月には同法に基づく「都市農業振興基本計画」が閣議決定され、都市農地の位置付けを「宅地化すべきもの」から、都市に「あるべきもの」に転換し、計画的に都市農地を保全するとともに本格的に農業振興施策を講じていく方針が示されました。

 これを受け、2017年5月に都市緑地法の一部が改正されました。これにより、取扱いが不明確であった農地を都市の緑地政策体系に位置付け、都市の緑地政策全体のマスタープランである「緑の基本計画」において、「生産緑地ほか都市農地の保全方針」が定められることとなりました。

(2)生産緑地法の改正

 こうした都市農地に対する方針の見直しの中で、2017年5月に生産緑地法の改正が行われました。具体的には、これまで農業関係者から寄せられていた都市農業に関する要望のうち、都市計画制度で対応できる次の3点について改正が行われています。

1.生産緑地地区の指定面積要件の緩和

 農地並みの税制特例措置がある生産緑地地区について、これまで最低面積を500m2以上としていたものを、市町村の条例で300m2以上へ引き下げることが可能となりました。さらに、同一または隣接する街区内に複数の農地がある場合、一団の農地等とみなして指定可能にしました。これにより、小規模で身近な農地をきめ細かに保全できるほか、公共施設用地としての買収などに伴う、営農者の意に反する生産緑地の、いわゆる「道連れ解除」(※)の発生を極力減らすことができるようになりました。

※ 一部所有者の相続などに伴い、生産緑地地区の一部の解除が必要な場合に、残された面積が規模要件を下回ると、生産緑地地区全体が解除されてしまうことを指す。
2.生産緑地地区内での行為制限の緩和

 これまで、生産緑地地区で設置できる施設は、農産物の生産や集荷、資材の貯蔵や保管施設などに限定されていました。これを、営農継続の視点から、地域内で生産された農産物などの加工場、農家レストラン、直売場などの販売施設の設置についても認められることとなりました。ただし、施設設置者は主たる農業従事者でなくてはなりません。これらの施設の土地については農地並み課税の対象とはなりませんが、都市農業者の収益性向上や、地域の新たな賑わいの場の創出などが期待されます。

写真2●都市農地(左)と農家レストラン(右)のイメージ
(写真提供:練馬区) 
3.生産緑地の買取り申し出可能時期を10年先送りする「特定生産緑地指定制度」の創設

 30年の営農義務を課す代わりに農地並み課税や相続税の納税猶予などの税制特例措置を与えられている生産緑地地区は、その多くが2022年に指定後30年となる時期を迎え、税制優遇が受けられなくなる一方で、営農義務も外れ、買い取り申し出が出来るようになります。とはいえ、市区町村が買い取ったりあっせんしたりできるケースは限定的であり、多くの生産緑地が宅地に転換することが予想されています。いわゆる「2022年問題」です。

 この問題への対応策となるのが、今回創設された「特定生産緑地指定制度」です。この制度は、生産緑地地区の都市計画決定から30年経過後に、営農者の意向により10年間、市区町村は「特定生産緑地」に指定することができるというものです。10年後の再延長も可能です。これにより、営農者にとっては、税制優遇が受けられる生産緑地の指定のもとで安定して農業が営める環境が整ったことになります。

(3)都市計画法、建築基準法の改正

 都市の構成要素としての農地を都市計画に本格的に位置付けるため、2017年5月に都市計画法、建築基準法が改正され、都市計画上の新しい用途地域として「田園住居地域」が創設されました。

 田園住居地域は、低層住宅地と農地が共存する土地利用がイメージされる用途地域となっています。開発・建築規制により、より安定的、継続的な都市農業の営農環境を図ろうとしています。

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