防災コーディネーターとの連携で地域防災力がアップ

 都立六仙公園(東久留米市)は、2006年に一部が開園した整備途中の公園です。小学校の廃校跡地が公園となったことで、卒業したOBの方より、「小学校廃校とともに薄れていった地域のコミュニティーを復活させたい。何かイベントができないか」との相談がありました。公園は住宅地に囲まれており、安全に対しての意識も高かったため、OBや住民、東久留米市とともに防災をテーマにした公園懇談会を実施。会議の中で、世代を問わず誰でも楽しく参加できる防災イベントを開催したいという声が上がり、実行委員会が結成されました。

 パークコーディネーターが関係者の調整を進め、市の防災防犯課や消防署、青年会議所や防災マーケットチームなどが主体となり、公園の防災コーディネーター(防災教育普及協会所属)がアドバイザーとして参加。イベント名を「防災キャラバン」とし、「楽」「学」「遊」の3つのキーワードでプログラムを企画したことで、親子も気軽に参加できると大好評のイベントとなりました。

「防災キャラバン」は官民連携による実行委員会形式で実施。楽しく参加できる防災訓練や、防災にちなんだ雑貨や飲食販売、ワークショップなど、創意工夫あふれるプログラムが展開され、地域防災力の向上に貢献している(資料・写真:NPO birth)
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「防災キャラバン」は官民連携による実行委員会形式で実施。楽しく参加できる防災訓練や、防災にちなんだ雑貨や飲食販売、ワークショップなど、創意工夫あふれるプログラムが展開され、地域防災力の向上に貢献している(資料・写真:NPO birth)
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「防災キャラバン」は官民連携による実行委員会形式で実施。楽しく参加できる防災訓練や、防災にちなんだ雑貨や飲食販売、ワークショップなど、創意工夫あふれるプログラムが展開され、地域防災力の向上に貢献している(資料・写真:NPO birth)
アウトドアテントメーカー「キャンパルジャパン」から提供された大型テント。管理所のない公園のため、受付のほか、救護室、授乳室として活用できる。パークコーディネーターが地域の販売店に声をかけ、協賛を得ることができた(写真:NPO birth)
アウトドアテントメーカー「キャンパルジャパン」から提供された大型テント。管理所のない公園のため、受付のほか、救護室、授乳室として活用できる。パークコーディネーターが地域の販売店に声をかけ、協賛を得ることができた(写真:NPO birth)
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シヤチハタと東北大学災害科学国際研究所が共同開発を行った「防災・減災スタンプラリー」プログラム。災害時の避難行動を疑似体験でき、子どもも大人も楽しみながら防災を学ぶことができる。防災コーディネーターが所属する防災教育普及協会のネットワーク力を生かして実現した(写真:NPO birth)
シヤチハタと東北大学災害科学国際研究所が共同開発を行った「防災・減災スタンプラリー」プログラム。災害時の避難行動を疑似体験でき、子どもも大人も楽しみながら防災を学ぶことができる。防災コーディネーターが所属する防災教育普及協会のネットワーク力を生かして実現した(写真:NPO birth)
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 防災訓練というとお堅いイメージがあり、参加者の募集に苦労する自治体が多い中、六仙公園では年々参加者が増え続けています。駅からも遠く駐車場もない、アクセスの悪い公園に、2019年度は25団体が出展し、800人を超える参加者が集まりました。パークコーディネーターが地域のニーズを引き出すことで、市民が「自分ごと」として積極的に参加していること、また防災コーディネーターがアドバイザーとなることで、正しい防災知識を学べることなどが成功の要因として挙げられます。

 全3回にわたって、パークコーディネーターの役割と効果について紹介しました。まちづくりの視点に立ち、公園と地域の力を引き出すパークコーディネーターは、エリアマネジメントの領域にも活躍の場が広がっています。公園を媒介に、地域のリソースを結び付け、サステナブルな都市づくりに貢献する役割として、今後ますます活躍の場が広がっていくでしょう。

パークコーディネーターは、公園を媒介に地域のリソースを結び付け、循環・発展させることで、地域のサステナビリティーに貢献する(資料:NPO birth)
パークコーディネーターは、公園を媒介に地域のリソースを結び付け、循環・発展させることで、地域のサステナビリティーに貢献する(資料:NPO birth)
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ランドスケープ経営研究会
Landscape and Business Development Association, Japan
2017年10月に一般社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会が設置した研究会。略称LBA。都市公園法等の改正を受け、Park-PFI等「ランドスケープ経営」に関心のある企業、団体、個人を募り、公園から始まるまちづくりのための公民連携方策の技術・情報交流、研究・提言を通じ、新たな時代の緑とオープンスペースにおけるビジネスモデルを構築することをミッションとする。収益施設のビジネスを得意とする民間事業者と、公園など造園/ランドスケープに関わる業界が集結することによって、多様な主体の協働による新たなまちづくりへの取組みを推進する。公式サイトURLはhttp://www.lba-j.org/