民間の力を利用した、公園など都市のオープンスペースのサステナブルな空間利用について考えていくシリーズ「公園が変わる! 街が変わる!」。第5回から第7回は、大小53公園の管理運営を一括して民間の指定管理者が行っている西東京市の事例を、当時、西東京市みどり公園課長として市立公園における指定管理者制度の導入に中心となって携わった高井譲氏が解説します。今回は、民間事業者の能力を引き出すため、導入段階で工夫した点を解説します。

西東京市では市全体の6分の1の区域に対して指定管理者制度を導入した(資料:西東京市)
[画像のクリックで拡大表示]

 西東京市の都市公園では2016年4月に指定管理者制度を導入しました。比較的後発ですが、公園単体ではなく、エリアマネジメントを意識して、西武池袋線ひばりケ丘駅南側、西東京いこいの森公園を中心とする一定の区域にある大小様々な50公園(公募時。現在は53公園)を一括して指定管理の対象としたことで、先進的な自治体と位置付けられています。

 この事業(西東京市立公園〔西東京いこいの森公園及び周辺の市立公園〕指定管理者)として、西東京の公園・西武パートナーズ(代表企業:西武造園、構成団体:エヌピーオーバース、尾林造園)を応募2団体から選定しました。指定期間は2016年4月1日から2021年3月31日までの5年間。構成団体は地元の事業者が中心を担っています。

 公園における指定管理者制度は、スポーツ施設のある公園や都立公園など比較的規模の大きな公園単体で導入されるケースが多いのが現状です。しかし、住宅地に小規模な公園が多数点在している西東京市では、一定の区域を定め、そこにある地域の都市公園について指定管理者制度を導入しています。現在は、4.4haの西東京いこいの森公園を中心に100m2以下の小規模公園も含め、53公園を一括管理しています。設定した区域は、市全体の約6分の1の区域に及びます。

 西東京市の公園一括指定管理には、もう一つ、大きな特徴があります。それは、市民協働の推進を最も重要な目的としたことです。そのために、単なる業務委託の延長ではなく民間の能力を最大限に発揮できるような制度となるよう導入段階から工夫しています。

 エリア全体を包括的に管理することで、公園をキーワードにした街づくりや、エリアマネジメントを意識した街の活性化も期待できます。さらに維持管理経費の抑制が可能となり、市民協働も効果的に推進することができます。

 今回、なぜこのような方法で指定管理者制度を導入したのか、さらには実施する際に工夫した点を解説します。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
西東京市が指定管理者制度を導入した公園。左が西東京いこいの森公園。市立公園では最も広い。右は住吉町上宿公園。住宅地にある公園で、近隣の小学生が良く利用している(写真:高井 譲)