民間の力を利用した、公園など都市のオープンスペースのサステナブルな空間利用について考えていくシリーズ「公園が変わる! 街が変わる!」。第5回から第7回は、大小53公園の管理を一括して民間の指定管理者に委託した東京都西東京市の例(西東京市立公園〔西東京いこいの森公園及び周辺の市立公園〕指定管理者)を、当時、西東京市みどり公園課長として市立公園における指定管理者制度の導入に中心的に携わった高井譲氏が解説します。今回は、指定管理者による「自主事業」など、公園において収益を上げる方法について解説します。

 指定管理者制度は、費用の削減だけでは、民間事業者の意欲も減退し、「安かろう、悪かろう」に陥る可能性があります。そのため、西東京市では指定管理者制度の導入にあたって、指定管理者の行う物品販売や自動販売機の設置も含め様々なイベントの実施などを「自主事業」として、公園を活用して柔軟に広く事業を行うことができるよう募集要項に盛り込みました(コラム第5回を参照)。

 それぞれの事業がどのように収益を上げるか、西東京市における代表的な実施例を解説します。

自動販売機・物品販売・ファーマーズマーケット

自動販売機の設置例(写真:高井 譲)
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■自動販売機

 自動販売機は、指定管理者が自動販売機メーカーと契約し、飲料水が1本売れるごとに収入を得る仕組みとなります。最も利用されている自動販売機は、年間で100万円近く売上を上げており、安定して継続的に収益を得ることができます。

■物品販売

 管理棟の売店におけるパンやお遊びグッズは、指定管理者が受託者となる委託販売とするのが一般的です。このため、指定管理者にとっては売れれば収益となり、在庫を抱えるリスクはありません。

管理棟における物品販売(写真:高井 譲)
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■ファーマーズマーケット

 ファーマーズマーケットは、指定管理者と協力して、地元農家のグループが西東京いこいの森公園で野菜を直売しています。従来、行政が関係する野菜の直売は、全量を行政が買い取り、低価格で販売する形態をとるケースが多くありました。しかし、このようなやり方では行政の予算に依存するため事業の継続が難しくなる傾向にありました。

 指定管理者と地元農家の共同事業では、価格を農家が独自に決め、自由に販売する形態をとっています。農家には好評で、2017年度に始めたころは月1回だったものが、2018年度からは月2回行うようになりました。

ファーマーズマーケット。西東京市では、地元農家が直接販売を手掛ける(写真:高井 譲)
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