ボランティアとの連携・市民協働で大事なこと

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西東京市では公園配置計画を市民協働で策定した。上写真は公園の実態調査を市民主体で実施した時の様子。下写真の付箋紙がたくさん張られたボードは、市民と公園の活用について対話・懇談会を実施したときのもの。地図に公園に関する情報を付箋で書き込むよう依頼したところ、次々と貼られていった。市民が公園の現状や実態をとても良く知っていることを改めて思い知った(写真:高井譲)
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 公園に対する市民からの苦情や要望は、行政と市民の大切な出会いの場ともいえます。確かにクレーマーのような人もいますが、公園の活用や改善について、前向きに考えている人もたくさんいます。このような市民と懇談会を重ねていると、行政と市民が連携して一緒に公園を活用していこうとする機運が生まれていきます。

 その時に大切なことは、市民主体のまちづくりの視点です。地方自治体の“主人公”は市民です。そして行政に必要なことは、市民目線でのまちづくりを考えることです。市民の中へ入り、市民との対話を積み重ねていくことが大切です。市民は、お客さんでも委託業者でもありません。市民は、問題解決のパートナーです。

 市民協働で何かを行う場合、行政は市民の思いをきちんと理解する必要があります。市民は多様です。おのおの関心が強い分野、地域、課題などが異なります。そのことを踏まえ、公園の課題や活用についても、市民自身にできることを考えてもらうことが大切です。

 ボランティア活動とは、市民の自主的で自立した活動です。決して頼まれて活動するのではありません。

 様々な課題に取り組む市民のパワーはとても凄いものがあります。イベントの企画立案など行政職員がやるより利用者本位の素晴らしいイベントができる場合が多々あります。

 市民と協力して事業を行う場合は、市民との信頼関係づくりに努めながら、お互いがパートナーと認識して、活動する必要があります。公園を巡る課題解決については、市民と行政職員の二人三脚で、取り組んでいくことが大切です。そして、活躍するのは市民です。行政は、あくまで黒子のコーディネーターに徹することが大切です。

 市民主体の取り組みが発展することにより、公園や緑地を市民自らの自己実現の場として活用することが可能です。

 しかし、行政の市民への対応については、多くの課題があります。例えば、事業やイベントなどを開催するとき、行政は硬直した対応になりがちです。「市民にお願いしてやってもらう」か、もしくは「ほとんど決めてから市民に説明して文句や反対にあう」か――。悲しいことに、この二つしかありせん。そろそろ、第三の道を検討すべきときにきているのではないでしょうか。

 系統的・組織的に市民協働を推進するためには、仕組みや体制が必要です。職員の個人的な努力では、長続きしません。かえって行政内部では、「よけいな仕事」と認識され、疎まれる恐れさえあります。

 まずは、苦情や要望の処理状況と進行管理、課内での苦情や要望の情報共有が必要です。紙ベースでの管理は難しいため、西東京市では、既成のデータベースソフトを利用して職員が手作りした苦情・要望管理システムを活用しています。

 次に、連載第5回で説明したように「市民協働担当者」を置くことで窓口を明確にし、市民から見て分かりやすくすることが大切です。行政内部でも、「市民協働担当者」を、市立公園を管理運営する部署や事業課に設置して、業務として位置付けを明確化しておきます。

 地域コーディネーターでもある市民協働担当者を配属し、市民協働に関する業務を一本化することが重要です。これにより、公園ボランティアは、個々の案件や活動種類ごとに、別々の担当者と煩雑な相談をすることなく公園・緑地関係については、ワンストップで相談や協議ができます。

指定管理者と行政が協力して公園ボランティアと連携する。その際、指定管理者と行政の対応窓口が分かりやすいということが重要になる。西東京市では、指定管理者と行政の双方に「市民協働窓口」を設けた(資料:高井 譲)
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 また、市民からの苦情や要望について、市民自身に知人・友人を集めてもらい、懇談会を必要に応じて実施すことも大切です。市民との対話を通じで課題の解決や市民主体の公園づくりの出発点にもなります。

 さらに、公園を管理する部署においては、方針を明確にし、行政内部に徹底することも必要です。例えば、西東京市のみどり公園課では、年間目標(2016年)として以下の3点を掲げ、市民の視点を大切にしながら、市民協働の推進を大きな柱として取り組みました。

  • (1)公園の安全管理を第一優先
  • (2)苦情や要望への迅速かつ丁寧な対応
  • (3)市民協働の積極的な推進