9月からキッチンカー事業の第2弾も

 神⼾市は、今回のキッチンカーに対するニーズは、緊急事態宣⾔が出ていた状況下での特徴的な需要だったかもしれないともみている。しかし、もともと飲食店が少なく利便性に課題のあるエリアでは、もう少し状況を見ながら地域のニーズを見極める必要があると考え、9月から再度キッチンカーによる実証実験を開始する。

 キッチンカーを出店する場所については、基本的には5月に実証実験を行ったエリアと同様に、「UberEATSや出前館のような飲食宅配サービスの提供が不十分、かつスーパーやコンビニから500m 以上離れたエリアの中で、ある程度住宅が密集している場所を選ぶ」(乃口氏)とし、市内の6カ所の住宅団地(多聞台、美穂が丘、秋葉台、君影町、中里町、東有野台)を選定している。期間も拡大し、9月から12月末までの4カ月間実施する。ただし、その間毎日出店するのではなく、1カ所当たり月に6回程度の実施を検討。毎週曜日を決めて、平日週1回プラス土日は隔週で1回といった計画を考えている。

 次回の実証実験を実施する団地のほとんどは、すでに団地内に移動販売車が営業していることから、キッチンカーと移動販売車の連携も想定している。そのため、「既存の移動販売車が出店している場所に、キッチンカーを出店する」、もしくは「キッチンカーが出店する場所に、移動販売車の出店場所を増やしてもらう」という調整をしている。ただし、移動販売車は1日のうち30分程度の営業となるので、「キッチンカーが営業している時間帯の一部のみ、移動販売車が併設されている状態になる」(乃口氏)。

 また、9月からの実証実験では、レンタルキッチンカーを貸与する市内飲食店を広く公募する。選定基準は「必要な管理体制」「継続して飲食事業を行う意欲」「住宅団地のニーズに合致するメニューやコンセプト」「資金計画」など。応募者多数の場合は、市内在住者を優先する。市内飲食店の公募は7月22日にスタートし、8月下旬までに参加店舗を決定して9月1日から事業を開始する(図9)。

(図9)事業者選定スケジュール(資料提供:神戸市)
(図9)事業者選定スケジュール(資料提供:神戸市)
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 9月の実証実験においてレンタルキッチンカーの手配、出店者の選定、現場管理、アンケートの実施などを行う運営事業者は、モビリティを活用したランチスペース事業やイベント事業を提供しているMellowを公募で選定。神戸市が約1400万円で業務委託する。

 他にも、5 月の実証実験では無料だった出店料として、出店者(市内飲食店舗、キッチンカー事業者ともに)から売り上げの10%(12月は7%)を徴収する予定だ。これは、郊外の住宅団地でのキッチンカーの出店を、単に実証実験やイベントとして終わらせるのではなく、「将来的に持続可能なスキームに落とし込んでいくために、採算性が成り立つかどうかを検証するため」(乃口氏)である。

 営業時間についても、5月の実証実験での来客状況を踏まえ、ピーク時間帯の11~14時と、16~18時とする方向で調整中。「飲食店やキッチンカー事業者が、実店舗や他の場所での出店などと両立させることを配慮して検討している」(乃口氏)。

 9月の実証実験でも、ニュータウンや郊外の住宅団地の利便性向上を目的に、将来そこに飲食店や生活利便機能を誘致する際に、店舗のような固定型がいいのか、移動型がいいのかのなどを検討していく。「土地に定着しない形を含めてどういった営業形態を団地が求めているのかを見極めていく」(乃口氏)という。