離島のモビリティ充実にはMaaSの導入も重要

 土庄町企画課係長の笠井雅貴氏(写真2)は、小豆島のモビリティの充実を考える際には「島民の人口は減っているが、そこだけを考えて公共交通の課題解決を図るわけにはいかない。MaaSへの取り組みも重要だ」と語る。「島外からやって来る観光客をいかにスムーズに目的地に運べるか」という、インバウンドの増加に伴う課題も解決しなくてはならないからだ。

(写真2)土庄町企画課係長の三木千代和氏(左)と笠井雅貴氏(撮影:元田 光一)
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 インバウンドの移動を考えた場合、中国や台湾からの乗客が増えている高松空港から、いかにスムーズに小豆島に来てもらえるか。そして、小豆島内でいかにスムーズに観光地やホテルに移動できるかを考える必要がある。

 例えば、高松空港から高松港(写真3)まではリムジンバスが走っており、そこから船で土庄港に渡ればすぐにバスに乗れるようにするなど、すべての交通手段をシームレスにつなげる必要がある。「1つの公共交通ですべての移動を賄う方法を考えるよりも、複数の公共交通でいかにスムーズに乗り継ぎをさせるかが重要だ」(笠井氏)。

(写真3)小豆島と四国本土を結ぶ重要な拠点である高松港へは、髙松空港からリムジンバスで45分ほどかかる(撮影:元田 光一)
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 小豆島におけるMaaSには、観光客の間で利用が増えているシェアサイクルも組み込まれるかもしれない。

 小豆島から高松に通勤したり、逆の通勤パターンもあるなど、船も普段の島民の生活を支える足である海上交通は、観光産業の面から見ても重要だ。ところが、船とバスの連携にはシビアな課題がある。観光客が島内でバスに乗り切れずに船の時間に間に合わなかった場合には、その後の行動に大きく影響が出るからだ。

 例えば、高松港と土庄港を結ぶ航路として、航行時間が約60分のフェリーが15本/日、航行時間が約35分の高速艇が16本/日と本数は多いが、土庄港からの最終出港がそれぞれ20時10分と20時50分で、これに乗り遅れると代替交通手段がない(写真4)。島内の道路はほとんどが1車線なので、渋滞になるとタクシーを使ってもバスより早く着くことはできない。

(写真4)高松港と土庄港を結ぶフェリー(左)と高速艇(右)は、小豆島島民の生活の足になっているだけでなく、観光客にとっても貴重な交通手段(撮影:元田 光一)
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 そこで、最近では観光客によるシェアサイクルの利用が増えているという。土庄港とホテルとの間で荷物を運んでくれるサービスもあるので、船で到着後すぐに自転車に乗って手ぶらで観光ができる。帰りも、早いうちに荷物だけを土庄港まで運んでもらえば、渋滞を気にせずに自転車で島内を観光できるようになる。