観光客向けのモビリティサービスも提供

 こうした地元住民向けのモビリティサービスの他にも、よかまちみらいプロジェクトでは糸島半島への観光客の誘致や、九州大学学生や職員の移動を支援するモビリティサービスも提供している。2020年12月からトヨタレンタリース福岡伊都店に設置された電動アシスト付レンタサイクル「よかチャリ」は、利用者の8割が10代や20代で、県外からの観光客の利用が6割を超えている。今後は筑前前原駅近くのトヨタレンリース福岡前原店でも、糸島市観光協会やよかまちみらいプロジェクトのコンソーシアム企業と連携し、観光ルートや飲食店情報などを案内しながらサービスを実施する予定だ。

 県外からの観光客の移動を支援するために、鉄道やバス、タクシー、カーシェア、レンタカー、レンタサイクルといった多様な交通手段によるルートを提示する、マルチモーダルモビリティサービス「my route」も2021年2月から提供を開始。また、トヨタのパーソナル・モビリティ「i-ROAD」を活用した、ワーケーションツーリズムの受容性および事業性の検証なども行った(写真7)。

(写真7)トヨタのパーソナル・モビリティ「i-ROAD」(出所:トヨタ自動車)
(写真7)トヨタのパーソナル・モビリティ「i-ROAD」(出所:トヨタ自動車)
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 現時点で糸島市に移住してくる若い世代は車での移動が中心になるが、今後さまざまな世代を受け入れていくためにも、モビリティの課題解決は積極的に進めていく必要があるだろう。これまで公共交通サービスを提供してきた昭和自動車としても、ドライバー不足の課題を解決していかなければならない。「今までバス事業は、網の目ように細かいエリアまで網羅していた。今後はそういうスタイルではなく、市内中心部まではバスで誘導してもそこから先はいろいろなモビリティに繋げていくMaaS事業を積極的に進めることが重要になってくる」(白津氏)と強調する。

 MaaSをどのようにして地域活性化に結び付けるか。地域住民のみならず、増える観光客の移動も支援するよかまちみらいプロジェクトの取り組みを見守りたい。