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活発化する自動運転実証、自治体にとってのインパクト

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自動運転はこう使う――自治体の移動弱者対策から考える使いどころ

大都市圏から過疎地まで、あらゆる地域にニーズ

元田 光一=テクニカルライター【2016.6.13】

 自動運転の社会的意義は、人為的ミスによる事故を防げることと、ドライバーがいなくてもクルマを利用できる場面が増えることである。未曾有のスピードで高齢化が進む日本では、とりわけ後者の意義が大きい。高齢化や過疎化によって公共交通機関の運営もままならない地域で、「流通機能や交通網の弱体化とともに、食料品など日常の買い物や、通院といった移動が困難な状況に置かれている人々」、いわゆる買い物弱者、あるいは移動弱者のサポートに役立ちそうだからだ。

全国700万人の買い物弱者を救う

 平均寿命が延び、少子化が進んで、日本は65歳以上の高齢者人口が既に総人口の21%を超えており、超高齢化社会に突入している。その影響で、医療・福祉から経済に至るまで、さまざまな分野に解決すべき課題が散在している。その一つが買い物弱者を含む移動弱者である。

 2014年度の経済産業省の推計では、全国でおよそ700万人の買い物弱者がいる。地方はもちろん、今後は都市部の買い物弱者が増加すると予測されている。例えば昭和40年代から段階的に開発が進められた、新興住宅地(いわゆるニュータウン)における問題が顕著になりつつある。かつては30代、40代の働き盛りがこぞって移り住んだ街も、40年の歳月がたった今では70代、80代の高齢者が多く住む静かな街となった。食品や日常品の買い物を支えてきたのは、開拓とともに進出してきたスーパーマーケットなど。それが、人口減少や従業員の高齢化によって徐々に撤退していくケースが少なくない。こうなると、歩いて行ける範囲に店舗がなくなり、買い物弱者を生み出すことになる。

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表1●各自治体をモデルにした買い物弱者の分類
(経済産業省:「買物弱者・フードデザート問題等の現状及び 今後の対策のあり方に関する報告書」より抜粋)

 買い物弱者の問題は欧米にもあり、深刻化してきている。米国や英国の「フードデザート(食品砂漠)」問題がそれ。スーパーマーケットがどんどん郊外に進出し、市街地中心部にある店が廃業することによって、郊外まで行けない貧困層が買い物弱者に陥るというものだ。背景こそ異なるが、高齢者、貧困層という社会的弱者が、買い物弱者になっている点は共通している。

 買い物以外に、通院などでの移動に困っている例も多々あるだろう。自律的に走行するクルマを、オンデマンドで呼び出し、公共交通機関と同程度の安価な費用で利用できるようになれば、こうした移動弱者の救済策になり得ることは、容易に想像できる。ただ、単純に自律的に動くクルマが走れば良いというわけではない。移動弱者が困る場面は、家から店舗までの移動だけではなく、クルマへの乗り降り、荷物の積み下ろし、宅内までの荷物の運び込みなど、いくつもある。自治体の立場からすると、高齢者に社会に接する機会を設けたいというニーズもある。

 重要なのは、そうした困りごとの解決策を生み出すことだ。移動弱者向けとしては、多くの自治体が既にいくつかの対策を講じてきている。それらを参考にすることで、自動運転の適用箇所、場面が見えてくる。

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