地域でのエネルギービジネスで多く見られるのがバイオマス発電、とりわけ木質バイオマスである。理由は単純。都市部を除くと日本は森林が多いためだ。間伐材を燃料にできれば、化石燃料を使うよりもCO2排出量が少なくて済むと同時に、国内・地域内で燃料を調達し、資金を循環させられる。

 そんな中で、国内における木質バイオマス活用の代表例としてよく挙げられるのが、林業で著名な岡山県真庭市である。同市は市の面積の8割を森林地帯が占め、林業や木材産業が盛んな地域である。これを背景に真庭市は、市を挙げて木質バイオマスの活用を推進。集成材最大手の銘建工業、木材事業協同組合や森林組合など地元の木材関連団体とともに電力会社「真庭バイオマス発電」を設立し、2015年4月には、木質バイオマスで国内最大級となる1万kW(10MW)の発電インフラを正式稼働させた。バイオマス発電の建設費など総事業費用は41億円である。

木質バイオマス推進で街に活力、要は燃料の調達・流通への地域連携

 真庭市は、2005年の町村合併(勝山町、落合町、湯原町、久世町、美甘村、川上村、八束村、中和村、北房町の9町村)で同市が誕生した際に、バイオマスの街づくりの方針を打ち出した。元々、林業や木材産業が盛んで、木質バイオマスの活用方法についても、以前から同地域で研究が進められていた。そこで同市は発足に当たり、地域から生み出されるバイオマスの実態を把握し、その利活用方法と具体化するための方策として「真庭市バイオマス利活用計画」を策定。2006年4月には、廃材や未利用材など木質バイオマスと、家畜排泄物、食品廃棄物を含めた総合的なバイオマス利活用システムを備えた街を目指す「真庭市バイオマスタウン構想」を発表した(図1)。

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図1 バイオマスタウン構想の概念図
図は「真庭市バイオマス活用推進計画」より引用

 その後、2013年度から内閣府、総務省など7府省庁(ほかは文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が共同で推進している「バイオマス産業都市」に真庭市が選定されたことを受け、バイオマス関連の計画を見直し。2014年7月、「バイオマス活用推進計画」をまとめ、公表した。バイオマス活用推進計画の目的は次の5つである。

(1)再生資源を基盤とした自立型社会の実現
(2)バイオマスの複合的利活用と新技術の導入促進
(3)農林業の振興をはじめとする地域の活性化
(4)異分野・異業種間の交流・連携・協働を通じての地域内人材の育成
(5)バイオマス活用を軸にした地球温暖化防止

 この計画に基づいて地域が一体となって木質バイオマスを活用することにより、真庭市をバイオマスタウンとして発展させ、地域を活性化させようという構想である。