1位・倶知安町――スキーリゾート地に一時滞在する外国人が増加
倶知安町の人口を押し上げたのは、スキーリゾート地として世界的に知られるニセコ地区に、冬場一時的に滞在する外国人だ。この人数が毎年増えているのだ。
ニセコ地区とは、ニセコ連峰を中心に、その東から南にかけて広がる一帯を指す。一時的に滞在する外国人のピークは12月。倶知安町の外国人の住民数は2014年12月に766人だったが、15年12月には1045人、16年12月には1545人に増えた。ランキングに使った総務省の統計が毎年1月1日時点の人口であることから、一時的な滞在とはいえ、人口としてカウントされる外国籍住民が増え続けたことが、倶知安町が1位となった大きな理由である。
倶知安町の外国籍住民数の推移をたどると、11月になると跳ね上がり、4月になると落ち着くという増減を繰り返す。同町総合政策課では「スキーのインストラクターや宿泊施設の従業員が、毎年冬になると来日し、春になると帰国する。それが、外国籍住民数としてカウントされている」と説明する。
同課によれば、ニセコ地区が世界的に注目されるようになったのは、2002年ごろ。雪質の良さに目を留めたオーストラリア人が、インターネット上の口コミでそれを広めたのがきっかけという。オーストラリア人にとっては自国との間に時差がほとんどないことから、スキーリゾートの拠点をカナダや欧州から移すようになったともいう(写真1)。
外国人観光客の増加に伴い、外国資本による不動産投資も活発化。香港の不動産開発会社であるパシフィック センチュリー プレミアム ディベロップメンツとハイアット ホテルズ アンド リゾーツは、ホテルとレジデンスなどで構成する「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」をニセコ地区に2019年に開業することを発表済みだ。倶知安町でも世界に誇る国際リゾートの創出を目指す。