世界の“自ら稼ぐ”都市 都市を活発化するには、街づくりと同時に、資金が流れる仕組みが欠かせない。世界には、“稼ぐ”仕組みを設けて街づくりを進める都市が数多くある。地域エネルギーや地域交通を活性化させるドイツのシュタットベルケ、産学官で交通サービスなどにイノベーションをもたらそうとするスペインのバレンシア、地域の受益者からの負担金によるファイナンスを積極的に採用する米国・ポートランドなど、先進都市の産業振興にもつながる取り組みを紹介する。 第37回 シンガポール・プンゴル――スマートシティで産学の交流を深める 官民共同開発のスマートシティプラットフォームを初採用へ 2020.09.24 シンガポールは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)などの新しいデジタル技術を活用して、モビリティ、住環境、ヘルスケアサービス、スマートハウ... 第36回 スウェーデン・ヴェステロース市――地域熱供給システムをスマート化 2020年中には熱供給のほぼ100%が再生可能エネルギー由来に 2020.07.28 スウェーデンの首都ストックホルムから西に約100km、風光明媚なメーラレン湖に面したヴェステロース市が、スマートシティ化に向けたプロジェクトを本格化している。まず、地域熱供給システムのスマー... 第35回 米国ポートランド市――市も自らスタートアップを育成 2020.03.10 米国西海岸に位置するオレゴン州ポートランド市は、全米で「もっとも住んでみたい街」として知られ、米国における街づくりの模範的存在である。積極的な市民参加によるまちづくりに加え、資金調達の工夫や... 第34回 オーストリア・ウイーン――自家用車の所有を制限するスマートシティ 飛行場跡地を開発、既に8000人が居住 2020.01.30 オーストリアの首都ウイーンの市街地から地下鉄で北東へ約40分にある、面積240haの飛行場跡地を利用して、ゼロから新都市を開発するスマートシティプロジェクト「Seestadt Aspern」... 第33回 スペイン・サンタンデール――1万5500のセンサーを張り巡らせ、住民サービスを向上 2019.12.16 スペインの北部、大西洋に面したサンタンデール市(図1)で、欧州を代表するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)ベースのスマートシティプロジェクト「Smart S... 第32回 サウジアラビアNEOM――紅海沿岸に新技術満載の大規模スマートシティ計画 2019.09.04 第31回 米国・ラトランド市――地域電力会社が太陽光と蓄電池から成るマイクログリッドを構築 ピークカットやアンシラリー市場に参加、非常時にも対応 2019.08.05 米国ボストン市からクルマで約3時間、いくつもの州立森林公園沿いに壮大な山岳風景を眺めながらドライブすると、山間の盆地に開けた市街地を持つラトランド市に着く。同市に本社を構えるユーティリティ企... 第30回 ドイツ・ハンブルク市――船舶向けの陸上電力供給システムを提供 再エネ100%電力でCO2を削減 2019.07.04 ドイツ第2の都市ハンブルクを流れるエルベ川沿いにあるハンブルク港はドイツ最大で、欧州でも第2の規模を誇る港湾施設である。コンテナターミナルを4つ、クルーズターミナルを3つ備え、年間約9000... 第29回 アラブ首長国連邦・ドバイ――あらゆる市民生活をスマート化 モビリティでは自動運転に重点、自動飛行タクシーも 2019.06.06 UAE(アラブ首長国連邦)のドバイ政府は2014年、UAE第2の中心都市であるドバイをスマートシティ化するために2021年までのロードマップを示した「Smart Dubai 2021」を発表した(図1)。「Smart Dubai 2021」は、「スマートライフ」「スマートな経済」「スマートなガバナンス」「スマートなモビリティ」「スマートな環境」「スマートな人々」というあらゆる市民生活に関わる6つのテーマからなる。 第28回 英国レイトンバザード――大型蓄電池を活用、地域配電網の収益性を向上 2019.05.14 英国のロンドン近郊で配電網を保有・管理するUK Power Networksは、国家プロジェクトとして大型の蓄電池を設置し、配電事業の効率化と再生可能エネルギーの増加に伴う不安定な系統網を改... 第27回 シンガポール――市民サービスをスマート化、新モビリティサービスの実験場に 2019.03.25 シンガポールのLee Hsien Loong首相は2014年8月、スマートシティ構想「Smart Nation Singapore」を発表した。IoT(Internet of Things:... 第26回 米国コロンバス市——先進的モビリティ構想で中小都市のモデルケースに 2019.02.25 米国オハイオ州コロンバス市は、全米で最も先進的なモビリティ構想を持つ都市を選出するコンテスト「スマートシティ・チャレンジ」で優勝。5000万ドルの資金供与を受けて、2017年にスマートモビリ... 第25回 米国ポートランド市(続編)——「最も住んでみたい街」のスマートモビリティ戦略 2019.01.17 米国西海岸に位置するオレゴン州ポートランド市は、全米で「最も住んでみたい街」として知られ、米国における街づくりの模範的存在である。本連載の第1回目では、ファイナンスの視点から同市の都市計画の... 第24回 米国オースティン市——先進モビリティ社会を志向し、次世代システムの導入を活発化 2018.10.02 米国テキサス州の州都オースティン市が、市内交通の信頼性を高めるために、新しいモビリティシステムの導入を積極的に進めている。同市は、全米でも最も先進的な交通管理システムをいち早く導入した都市の... 第23回 英国・グラスゴー市——英国最大級のスマートシティ、経済効果は1億4400万ポンドに 2018.09.04 英国スコットランド最大の都市、グラスゴー市が2013年にスタートさせたスマートシティプロジェクト「Future City Glasgow」が順調に成果を上げつつある。同プロジェクトを資金面で... 1 2 3