スマートフォン上のアプリで走行状況を確認

図5 ポートランド市の利用者向けアプリケーションのスマートフォン上の画面の例。地図上に混雑状況などを色分けで示した「ストレスマップ」。緑がスムーズなレーン、赤色が混雑していて通行が困難なレーンを示す(出所:Ride Report)
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 マイクロモビリティの利用者は、Ride Reportのサイトからアプリケーションをスマートフォンにダウンロードすることによって、様々なサービスを受けられると共に、その乗車記録が同社のサーバーを介して、自治体の管理者に集約される。

 利用者向けサービスとしては例えば、スマートフォンの画面上に道路の混雑状況や障害を示す「ストレスマップ」を表示する(図5)。

 スムーズに走行できる道は緑色で、混雑している道路は赤で示すなど視認性を上げている。利用者はこれを見て最適なルートを選択できる。

 利用者はまた、乗車後の履歴を記録し、画面上で簡単に確認できる。乗車した時間帯と、どこからどこまで移動したのかの位置情報が詳細なデータとして記録される。雨の中や坂道の移動、連続乗車などの挑戦的な行為に対して、「トロフィー」を贈与する仕組みも提供しており、利用者がトロフィーを集めることで、乗車のインセンティブを高める工夫も盛り込んでいる。

GPSの位置データから乗車履歴を収集

 Ride Reportのビジネスモデルは、利用者向けには無料でアプリケーションを提供し、自治体向けにデータ分析サービスをSaaS(Software as a Service)として提供することである。SaaSでは、利用者の乗車履歴の情報を集めて分析し、自治体の交通管理部門の担当者向けに提供する。

 Henderson氏によると、集約している情報は、同社のアプリケーションをインストールした利用者のスマートフォンのGPSからの位置データのほか、同社がAPI(Application Programming Interface)を提供しているサードパーティーからのデータも含まれ、近年その比率は増えているという。

 自治体向けの分析データの基本は、利用者向けにも提供している「ストレスマップ」で、利用者などからの情報を基に渋滞や障害など通行上のストレスの程度を分類(レーティング)して色分けして示す。交通管理担当者は、管轄地域全体のストレスマップをリアルタイムや過去に遡って監視・検討できる(図6)。

図6 ポートランド市向けのストレスマップの例。緑色がスムーズな路線、オレンジ色、赤色の路線は混雑や事故で支障があることを表している(出所:Ride Report)
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 交通量の多寡を赤色の濃淡で示す「ヒートマップ」として表示することもできる。自治体の交通当局の担当者は、こうしたストレスマップやヒートマップを検討、分析して、自転車レーンや道路の整備、設計に役立てている。

 同社のビジネスは順調で、ポートランド市に続き、ニューヨーク市(ニューヨーク州)、オースティン市(テキサス州)、アトランタ市(ジョージア州)、オークランド市(カリフォルニア州)など米国の人口密度が高い都市を中心に、15都市にSaaS事業を展開している。